第15回大阪アジアン映画祭クロージング作品決定 日本映画界・若手実力派監督らの連作長編『蒲田前奏曲』

引用元:ぴあ
第15回大阪アジアン映画祭クロージング作品決定 日本映画界・若手実力派監督らの連作長編『蒲田前奏曲』

中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文の若手監督4人による連作スタイルの長編映画『蒲田前奏曲』が、第15回大阪アジアン映画祭のクロージング作品に決定した。今秋からの全国公開に先がけ、3月15日(日)、ABC ホールにて初上映される。

『蒲田前奏曲』は、蒲田に住む売れない女優マチ子を主軸に、マチ子の周りの人間模様を通して、”女”であること、”女優”であることを求める社会への皮肉をコミカルに描く作品。

最新作『静かな雨』が釜山国際映画祭上映、東京フィルメックス 観客賞受賞など、国内外の注目を集める中川龍太郎、『Dressing Up』で日本映画ブロフェッショナル大賞新人監督賞受賞の安川有果、長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が MOOSIC LAB グランブリ受賞、東京国際映画祭上映の穐山茉由、最新作『叫び声』が東京国際映画祭日本映画スブラッシュ 部門監督賞に輝いた渡辺紘文(大田原愚豚舎)が務める。

『飢えたライオン』で主演を務め、舞台、TVドラマなどでも活躍する松林うららが自身の地元である蒲田を舞台にブロデュースし、自らも出演。また、伊藤沙莉、瀧内公美など、旬の俳優が名を連ねる。

本作は、過去、現在、未来を描く4つのエピソードから構成される。各エピソードの詳細は以下の通り。

第1番「蒲田哀歌」<大過去>(監督:中川龍太郎、出演:古川琴音、須藤蓮、松林うらら)オーディションと食堂でのアルバイトの往復で疲れ果てている売れない女優、マチ子。ある日、彼氏と間違われるほど仲の良い弟から彼女を紹介されショックを受ける。だが、その彼女の存在が、女として、姉として、女優としての在り方を振り返るきっかけとなる。

第2番「呑川ラブソディ」<現在>(監督:穐山茉由、出演:伊藤沙莉、福田麻由子、川添野愛、和田光沙、松 林うらら、葉月あさひ、山本剛史)アルバイトをしながら女優をしているマチ子。大学時代の友人5人と久々に女子会をするが、独身チームと既婚チームに 分かれ、気まずい雰囲気に。そこでマチ子は蒲田温泉へ行くことを提案する。5人は仕事、男性のことなどを話し合い、次第に隠していたものが丸裸になっていく。

第3番「行き止まりの人々」<過去とトラウマ>(監督:安川有果、出演:瀧内公美、大西信満、松林うらら、吉村界人、二ノ宮隆太郎、近藤芳正)映画のオーディションを受けたマチ子。セクハラや metoo の実体験やエビソードがあれば話すという内容だったが、皆、思い出すことに抵抗があり、上手く演じられない。そんな中、マチ子の隣にいた黒川(※)だけは迫真の演技を見せる。マチ子は黒川と共に最終選考に残ったが……。

第4番「シーカランスどこへ行く」<未来>(監督:渡辺紘文、出演:久次璃子、渡辺紘文)マチ子の実家は大田原にある。大田原に住む親戚の小学5年生のリコは、大田原でとある映画の撮影現場にいる。とある監督が撮影現場にやってきて……。 渡辺紘文監督ならではの視点で東京中心主義、映画業界、日本の社会問題批判を皮肉に表現し描く。

『蒲田前奏曲』
3月15日(日)第15回大阪アジアン映画祭 ABC ホールで上映
今秋公開

※黒川の「黒」は、正しくは旧字体