「いだてん」熱演でチュート徳井を惜しむ声…今ごろ役者オファー殺到だった?

 呪われているかのようなNHK大河ドラマ「いだてん」。薬物逮捕のピエール瀧(52)を代役で乗り切ったと思いきや、最後の最後でチュートリアル徳井義実(44)の所得隠しだった。

 先月3日に放送された徳井の初登場回では、冒頭に「10月1日にすべての収録を終了しています。徳井義実さん演じる日本女子バレーボールの大松博文監督を描くシーンについては編集などでできるだけ配慮をして放送いたします」なんてテロップが入った。

「撮影はすでに終了し、撮り直しは不可能。再編集で徳井の登場シーンを少なくするという苦肉の策で、この日は再編集のせいで通常43分が42分に短縮されてしまうという異例の事態に」(テレビ誌ライター)

 ところが、いざ放送されると、〈徳井の演技、うまいのにもったいない〉〈無理にカットしなくてもよかったんでは?〉なんて声がネット上に多数寄せられるという、何とも皮肉な流れに。

 そして今月1日放送の第45話。この日の冒頭は、五輪まで2年となった時期に、徳井演じる大松監督が辞意を示したことを知り、田畑政治(阿部サダヲ)が説得に行くも、大松監督は聞く耳を持たないというシーン。さらに終盤では、再び田畑が大松監督と向き合い、そこに選手たちも現れるという展開だった。

「大松監督が『これ以上、選手の青春を奪えない』と心中を吐露し始めてからの約15分は、汗と涙を流しながらの大熱演。『いだてん』は女子アスリートの軌跡も丁寧に描いており、45話は集大成ともいえる大切な回でした。NHKが『カットはできない』と判断したのは納得です」と、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は、こう続ける。

「徳井さんは、どこかひょうひょうとした役柄を演じさせたらとてもいい味を出す役者さん、と常々思っていたのですが、今回の“鬼の大松”役は新境地だったと思います。いくつかのドラマ出演を経て、今ようやく“顔だけ勝負”じゃなく、演技で見せる俳優になったといえますよね」

 もっとも、徳井は現在芸能活動を自粛中だ。

「あんなことがなければ、『いだてん』を見た関係者から、きっといくつもオファーがあったはずです。同じく自粛中の芸人ということで、勝手に比較して申し訳ないですが、宮迫博之さんの場合は『俺、芝居うまいやろ』という自意識が、どうしても演技に見え隠れすることがある。けれど徳井さんにはそれがない。肩の力の抜けた演技で、万人に愛されるようなキャラを演じられる人だと思います」(山下真夏氏)

 これからが役者として脂が乗る時期だったのに「もったいない」というわけだ。

 今回、徳井出演シーンを長く放送したことで、ネット上ではその是非を問う“舌戦”が繰り広げられている。果たして当の徳井は、この騒動をどんな思いで見ているのだろうか。