松田優作さんの伝説のライブが初のDVD化 思いを崔洋一監督が語る

引用元:スポーツ報知

 俳優の松田優作さん(享年40)をしのび、亡くなった翌年の1990年に行われた、一夜限りの幻の追悼ライブ「CLUB DEJA‐VU ONE NIGHT SHOW 松田優作・メモリアル・ライブ」が、30年の時を経て、初めてDVDとして今月5日に発売される。今作の総指揮を執る崔洋一監督(70)がこのほど取材に応じ、思いを語った。

 今作は、生前の優作さんを慕った俳優・水谷豊や女優・桃井かおりらが集い、優作さんの楽曲を鎮魂歌としてささげた、観客数たった800人の伝説のライブ。崔監督は、「今、松田優作を描くことは、関わった人全員を描くことになる。記録映像としてライブを撮影したので、最初は発売に反対してました。でも、僕が死んだら誰も残せなくなる。伝説が故に今触れて欲しいと思い、宗旨替えしました」と、世に出す覚悟を決めた。

 歌手としての優作さんの特徴は「客を入れないライブ」だと崔監督は語る。「あえて何にもしない。偶然バーに来たお客に聞かせる音楽。本当にお客がいないんだよ。優作は十数人のお客の前で歌ってた。本人も『お客はいなくていい』と言ってた。あの頃が本当に音楽的に極めていた」

 特典ディスクでは、同ライブに参加した水谷や桃井へ監督自身が話を聞き、多面的に優作さんに迫った。「神格化するのではなく、手が届く等身大の彼も知って欲しい。生身の優作を知らない世代が、松田優作という時代のヒントに触れてくれれば」。時代を超え新たな優作さんが紡がれる。

 本作発売に先駆け、1月30日に東京・テアトル新宿で行われた行われた試写会には、女優の原田美枝子(61)らが駆けつけた。上映後、原田は「全く忘れていました。タイムカプセルが開いたみたい。不思議な気持ち。当時、男も女も関係なく、関わる人が優作さんの恋人になりたかった」と笑顔で久々の映像を振り返った。 報知新聞社