東出昌大の不倫騒動「許せない」オンパレードへの違和感

東出昌大の不倫騒動「許せない」オンパレードへの違和感

桧山珠美【あれもこれも言わせて】

 世の中どうかしているんじゃないかと本気で心配になるのが東出昌大の不倫騒動だ。「妻が妊娠中の浮気は許せない」「3人の子どもの育児を妻に押し付けて、自分は遊び歩いていたのは許せない」「相手が若い女とは許せない」と「許せない」のオンパレード。

 義父・渡辺謙がちょっとツイートしただけで、「こんな時にのんきにツイートか!」と言われ、そのせいで渡辺はツイッターのアカウントごと削除したという。すねに傷を持つ身とはいえ、とんだとばっちりである。

 それにしても、よその夫婦のことに、よくもそこまで熱くなれるもの。友人は今回の一件で妻の監視が厳しくなり、スマホのチェック当たり前、ロックを掛けようものなら痛くもない腹を探られて面倒だと嘆いていた。

 報道によれば、杏も東出のスマホをチェックして決定的な証拠を見つけたらしいが、こういうケースでは夫のスマホを見るのは仕方がないという認識なのか。夫婦のことは夫婦にしか分からないもの。東出が悪いのは当然としても、よってたかって糾弾し、擁護するような発言をしたタレントや番組にまでその矢が飛んでくる。集団ヒステリーの行きついた先に何があったか。思い出したくない過去ではないか。

 理想の夫婦とか理想のイクメンとか、つくり上げられたイメージをうのみにしてやれ裏切られたダマされたと怒る。お門違いじゃないの? 東出に迷惑を掛けられたのは杏であり、仕事関係者でありスポンサー。

 放送中の「ケイジとケンジ」(テレビ朝日系)の共演者は気の毒だ。特にダブル主演の桐谷健太や共演の比嘉愛未。そもそも東出が切れモノの超エリート検事に全く見えない。下手ッピーな演技に合わせたかのように、桐谷や比嘉までオーバーな演技で、見ていられない。世間がそんな東出に怒りをぶつけているならまだ分かる。

■「別居はダメ」と語る経験者の説得力

 面白いのは、例えば26日の「アッコにおまかせ!」(TBS系)。この日のゲストは泉ピン子、峰竜太、榊原郁恵、陣内智則。過去に不倫したり、されたりした人たち。そんな彼らが一様に「何があっても別居はダメ。別居したら終わり」と言っていたのは説得力があった。みんな不倫問題が出るたびに昔のことが蒸し返されてお気の毒だが、どっこい、それを肥やしにして芸能界でたくましく生き続けている。あっぱれ!

 政界のゲス不倫男、宮崎謙介は各局を忙しく回り、すっかり不倫コメンテーターに定着したもよう。何が幸いするか分からない。

 東出には年末「ダウンタウンの笑ってはいけない大晦日」でアパ不倫・袴田吉彦、4WD不倫・原田龍二とゲス不倫トリオとしてパンツ一丁で出直してほしい。それなら世間も納得するか。

(桧山珠美/コラムニスト)