他の芸能人と何が違う? 東出昌大の不倫をこれでもかと批判する大衆心理

他の芸能人と何が違う? 東出昌大の不倫をこれでもかと批判する大衆心理

城下尊之【芸能界仕事術】

 俳優の東出昌大(31)がたいへんなことになっている。

 杏(33)との別居が報じられ、その原因が若手女優の唐田えりか(22)との不倫によるものとされ、所属事務所もそれがおおむね事実であると認めたことから、ネットなどでも大きく批判された。出演していたCMも打ち切りとなり、現在出演のドラマについても「いかがなものか」といった声が上がる大逆風状態である。

 そうはいっても、CM打ち切りやドラマの出演に影響が出るということに、どこか違和感を覚えるといったら不謹慎だろうか。薬物などで検挙されたわけでもなく、刑事事件を起こしたわけでもない。本来ならば、あくまでもその人の家庭内の問題として扱うという考え方もあっていい。

 というのも、不倫問題が仕事に大きく影響を与えるとしたら、“戦々恐々”とする芸能人は続出する。芸能界というところは、イイ男とイイ女がウジャウジャいる場所なのだ。道義的な問題で批判をする人の気持ちは理解できるが、大方の人は心のどこかで「あんな人に言い寄られたら」と同感している部分がある。これは邪推かもしれないが、東出を批判している人は、「杏さんがかわいそう」という層より、「うまいことやりやがって」という層の方が多いのではなかろうか。

■「よきパパ、やさしい夫」で売ってきた反動

 それでも何で芸能人の不倫は大問題となってしまうのか。理由は2つある。ズバリ、イメージと善後策のまずさだ。東出はこれまで「よきパパ、やさしい夫」として売ってきた部分が大きい。今回の不倫と別居はそれを裏切った格好で、「イメージ商売で稼いでいたのに、ざまあないよ」という揶揄したい気持ちが他人に芽生える。

 もしも“モテ男の遊び人”だとしたら、ここまで騒がれなかったろう。 もう1つ、善後策については基本的には家庭の問題なのだから、配偶者に謝罪し、修復すれば第三者があれこれ言う筋合いではない。これまでにも浮気がバレて、大きな買い物(プレゼント)をさせられたといった話で騒動を終わらせたケースはあった。

 東出の場合は「修復へのステップを踏むための冷却期間」としての別居となっているが、要は話し合いもできていないわけで、それがまずかった。当然、今後の展開に注目が集まってしまうことになり、配偶者との関係を修復し、明るくお詫びするというのは難しい状況だ。批判している人も、批判することでこの夫婦の「離婚」が進むことをどこかで期待したり、予測している。

 ただし、外部の人間が離婚を望む前に、東出の気持ちはもう固まっているだろう。だいたい、冷却期間のための別居というのは、離婚に進むケースが多い。私も離婚経験者だが、一度別居すると、頭のどこかで「ひとりの方が楽かも」という思いがこみ上げてくる。東出と杏の離婚が成立しても、ファンの激しい批判に根負けしたというより、すでに決まっていたことなのだろう。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)