『ババドック』監督がオーストラリアの黒歴史描く『ナイチンゲール』3月公開

『ババドック』監督がオーストラリアの黒歴史描く『ナイチンゲール』3月公開

 長編監督デビュー作『ババドック 暗闇の魔物』(2014)が、ジャンル映画の祭典・シッチェス国際映画祭で審査員特別賞など各国の映画祭で高評価を受けた女性監督ジェニファー・ケントの新作が、『ナイチンゲール』の邦題で3月20日より公開されることが決定した。予告編では、英国軍の将校にすべてを奪われたアイルランド人の女囚が復讐の鬼と化す過程が収められている。

【動画】女囚が将校を追い詰めていく『ナイチンゲール』予告編

 本作は、英国植民地時代のオーストラリアを舞台に、残虐な将校らに暴行を受け、夫と子供を殺された女囚クレアの復讐の旅を描くスリラー。流刑地における女性虐待と植民地化によって人口の多くが失われたと言われる先住民アボリジニの迫害の歴史をあぶりだし、第75回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。 主人公クレアを演じるのはオペラ歌手でもあり、人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のリアナ・スターク役で知られるアイスリング・フランシオシ。クレアからすべてを奪う残忍な将校役に『あと1センチの恋』のサム・クラフリン。クレアの道案内を務める先住民アボリジニの青年ビリーを演じたバイカリ・ガナンバルが、ベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を獲得した。 予告編では、クレアが英国人将校のために歌うシーンからスタート。すぐさまクレアが悲鳴を上げる場面に変わり、「危険すぎる」「殺されるぞ」と忠告するアボリジニの青年ビリーをよそに、銃を手にしたクレアの復讐の旅が展開していく。かつてイングランドに対する抵抗歌として歌われたアイルランド民謡「シューリ・ルゥ」がBGMに使用され、不穏なムードを掻き立てている。(編集部・石井百合子)映画『ナイチンゲール』は3月20日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開