Juice=Juice、初の代々木体育館単独ライブに「幸せ」 スマホ撮影も解禁

 ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juiceが4日、東京・国立代々木競技場 第一体育館で単独公演『Juice=Juice Concert 2019 ~octopic!~』を開催。今年6月に卒業した初代リーダー・宮崎由加からバトンを受け継いだ金澤朋子は9000人の観客を前に「過去にはライブハウスでも埋まらなかった時代があったのに、こんなに広い場所に立てるとは思いませんでした」と話し、会場を見上げながらこれまでの活動に思いを巡らせていた。

【写真】「Juice=Juice Concert 2019 ~octopic!~」の模様

 開演前には、オープニングアクトとしてハロプロのイベントMCなどを務めるお笑いコンビ・上々軍団が自身の作詞作曲による「悪友」を披露。さらに、今年8月にメジャーデビューし、注目度を高めているハロプロ初の“令和”デビューグループ・BEYOOOONDSも、直前に発売された1stアルバムの収録曲「元年バンジージャンプ」を歌い上げ、先輩たちの立つステージを盛り上げた。

 少しばかり間を置き、会場が暗転すると共に、メインステージ上部に設置された8つに分かれたスクリーン上にはメンバーごとのカラーを示すシグナルが点灯。やがてその一本一本が公演名や各自の表情、それぞれの名前に切り替わったのち、映像が終わってスタートしたのは一曲目となった「『ひとりで生きられそう』って それってねえ、褒めているの?」で、冒頭からみせる宮本佳林の力強い第一声に、観客たちは大きな歓声を上げた。

 続く新曲の「プラトニック・プラネット」では、メインステージ上で多彩なフォーメーションを強調。花道やサブステージへと広がりながら披露した、グループ初期から歌い継がれる代表曲の一つ「ロマンスの途中」では、宮本が煽ると客席のボルテージがさらに高まっていった。

 その後、この日最初のMCで「今日は中継もあり、画面越しにもたくさんの人たちが見ていてくれてうれしい」と感想を明かしたのは6月に加入した工藤由愛。同じく新メンバーとなった松永里愛も「新曲を披露しましたが、レコーディングも頑張りました」と振り返り、さらに「たくさんのペンライトの光が見えて、すごくキレイ」と一夜限りの光景に思いを馳せた。

 そして、再びパフォーマンスに戻ったグループはバラード調の『シンクロ。』をしんみりと歌い上げ、次の「風に吹かれて」では、宮本から高木紗友希へと歌い継がれる始まりに客席が強く反応。真紅の身軽な衣装への早着替えを済ませ「銀色のテレパシー」と「如雨露」を披露し、花道一杯に縦へと広がりながら魅了した「TOKYOグライダー」や、レーザービームの光が客席を貫いた「Borderline」と、たたみかけるような展開をみせた。

 いったん静けさを取り戻した場内で、メインステージに残ったのは金澤・宮本・植村あかり・高木のオリジナルメンバーたち。11月28日にスマートフォン・携帯電話でのコンサート撮影を試験的に解禁すると発表したハロプロの試金石となった公演でもあったために、金澤の提案で「Juice=Juiceをトレンド入りさせちゃおう!」というコーナーを展開し、各メンバーが客席へ向かいポージングをするなどして盛り上げ、観客もここぞとばかりにステージへとレンズを向けていた。

 グループとしてだけではなく、ハロプロとしても実験的な試みに挑戦した4人であったが、メインステージで金澤が宮本に対して「うえむー(植村)の口びる奪ったでしょ?」と詰め寄る一幕も。花道をめいっぱいに使いながらカメラを向ける観客に応えていたメンバーたちであったが、本番前に植村と宮本が寝そべって客席へ愛想をふりまこうと約束していたことが明かされ、宮本は「口約束だったから」と答えて笑いを誘う場面もあった。

 そして、いったん暗転したステージにダンサブルなBGMと共に登場したのは、工藤・松永・稲場愛香・段原瑠々の4人。スポットライトを浴びて一人ずつフィーチャーされながらの登場しつつ、キレのあるソロダンスをみせるたびに客席からは大きな歓声が上がっていた。

 さらに、その流れから植村・宮本・高木・金澤が合流すると「微炭酸」を披露し、次の「あばれてっか?! ハヴアグッタイ」では、金澤のソロパートや煽りにより会場の空気が一変。続く「地団駄ダンス」でメンバーの動きに併せて客席が揺れ始めると、一体感により拍車がかかり、「愛のダイビング」や「生まれたてのBaby Love」と激しいメロディの曲をたたみかけるように歌い上げた。

 宮本の「ここで、新曲をもう一つ披露しちゃいます!」の合図で始まったのは力強いギターの音色からスタートする「Va‐Va-Voom」。ここからライブの定番曲である「Never Never Surrender」や「私が言う前に抱きしめなきゃね」と続き、さらに「CHOICE & CHANCE」や「Fiesta! Fiesta!」とアッパーな曲を連発。メンバーの変遷を味わえる自己紹介的な一曲「GIRLS BE AMBITIOUS」で盛り上げたのち、太陽とシスコムーンの名曲をカバーした「Magic of Love」(J=J 2015Ver.)で本編を締めくくった。

 そして、一度暗転した場内に響いた「ジュースもう一杯!」のコールを受けて、各自のカラーをあしらったメンバーがアンコールとして再び登場。一曲目の新録版「『ひとりで生きられそう』って それってねえ、褒めているの?(New Vocal Ver.)」を披露したあと、客席の中心に設置されたサブステージ上でそれぞれの感想を話し始めた。

 新メンバーの工藤は「今回の公演で自分は心が弱いと分かりました」と吐露。「リハーサル中も今日も泣いてしまったんですけど、先輩たちが励ましくれてうれしかったです」と感想を話しながらも、「ちょっと高いヒールも履かせてもらい、足にタコができてしまいました」とつぶやき場内の笑いを誘っていた。

 一方、工藤と松永の健闘をたたえながら「今日まで二人が一生懸命に頑張っていた姿を思い出すと泣きそうで。自分も背中を見せられる人になりたい」と、先輩としての決意を明かしたのは段原。宮本は「過去にはライブハウスでの225公演を経て日本武道館へ立った経験もありましたが、たくさんの苦労も味わってきたけど、今日のような光景をみられてこんなにも幸せなことはありません」と話し、「言葉で伝えるのが苦手なので、これからもパフォーマンスで感謝を伝えていきたい」と意思をみせつけていた。

 その後、会場全体を包む大きな拍手の音で始まった「未来へ、さあ走り出せ!」を披露し、全23曲を歌い上げたグループ“最大級”のステージでの公演は幕を閉じた。

「Juice=Juice Concert 2019 ~octopic!~」セットリスト 
1.「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
2.プラトニック・プラネット(新曲)
3.ロマンスの途中
4.シンクロ。
5.風に吹かれて
6.銀色のテレパシー
7.如雨露
8.TOKYOグライダー
9.Borderline
10.微炭酸
11.あばれてっか?! ハヴアグッタイ
12.地団駄ダンス
13.愛のダイビング
14.生まれたてのBaby Love
15.Va-Va-Voom
16.Never Never Surrender
17.私が言う前に抱きしめなきゃね
18.CHOICE & CHANCE
19.Fiesta! Fiesta!
20.GIRLS BE AMBITIOUS
21.Magic of Love(J=J 2015Ver.)
~アンコール~
22.「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
  (New Vocal Ver.)
23.未来へ、さあ走り出せ!