7年の裁判が終結。ベルギーの前国王、隠し子をついに認知

引用元:ELLE ONLINE
7年の裁判が終結。ベルギーの前国王、隠し子をついに認知

フィリップ現国王の父で2013年に健康上の理由で退位したアルベール2世。同じ年、男爵夫人シベル・ド・セリス=ロンシャンが1968年に生まれた自分の娘で彫刻家のデルフィーヌ・ボエルの父は国王だとインタビューで激白。それを証明するためにアルベール2世にDNA検査を受けるように求めていることを明らかにするという騒動が勃発した。さらにデルフィーヌ自身が認知訴訟に踏み切ったことから、事態が紛糾。セリス夫人の爆弾発言後、アルベール2世がデルフィーヌをわざわざ呼びだし「私はお前の父ではない」と言い渡したことに激怒したのが訴訟の理由だと言われている。ちなみにアルベール2世が長年に渡ってセリス夫人と愛人関係にあったことは以前から国民の間では公然の秘密。アルベール2世もセリス夫人もすでに結婚していたので、いわゆるW不倫だった。

【写真】「実は隠し子がいたんです」なセレブたち 7年の裁判が終結。ベルギーの前国王、隠し子をついに認知 デルフィーヌ・ボエル(Delphine Boel)GETTY IMAGES 裁判でアルベール2世はデルフィーヌの主張を一貫して否定。2018年にはベルギーの裁判所からDNA検査を受けるように求められたが、それも拒否。その結果、裁判所からは検査に応じるまで1日5,600ドル(約60万円)をデルフィーヌに支払うように命じられるに至っていた。国王は裁判所の決定に控訴までしていたけれど、昨年5月に裁判所はそれを却下。アルベール2世もついに諦めたのか、同時期にDNAのサンプルを提出した。でも同意したのは「裁判所が検査結果を厳重な機密情報として扱うと決定したからだ」とも。そのため検査結果は公表されていなかった。裁判所はセリス夫人の夫(つまりデルフィーヌの法的な父)で実業家のジャック・ボエルがDNA検査の結果、デルフィーヌの実の父ではないと判明していることを踏まえ、アルベール2世が父親だと推測されるとのみ発表していた。 7年の裁判が終結。ベルギーの前国王、隠し子をついに認知 シベル・ド・セリス=ロンシャン(Sybille de Selys Longchamps)GETTY IMAGES 泥沼裁判が続いていたわけだけれど、ついに今週初めアルベール2世が弁護士を通して声明を発表。「アルベール2世は良心に省みて、この痛みに満ちた訴訟手続きを終わらせることを決めました」。これ以上の控訴はしない、つまりデルフィーヌが自分の子どもだと認めた。とはいえ、デルフィーヌが王位継承者としての権利や称号を得ることはないと報じられている。

普通なら隠しておきたい認知裁判を、世界中のマスコミの目にさらされながら7年も繰り広げたベルギー王室。終わって一番ほっとしているのは国民かも。
(text : Yoko Nagasaka)