岩井俊二監督が描く“もうひとつのラストレター” 中国映画『チィファの手紙』日本公開決定

岩井俊二監督が描く“もうひとつのラストレター” 中国映画『チィファの手紙』日本公開決定

 映画『Love Letter』『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』など、数々の名作を世に送りだしてきた岩井俊二監督が、初めて中国でメガホンをとった映画『チィファの手紙』が秋に日本公開されることが決定した。

【写真】岩井俊二フォトギャラリー

 本作は、現在公開中の岩井監督最新作『ラストレター』と同じく、自身の小説『ラストレター』を原作に岩井監督が中国で描くもうひとつの“ラストレター”。過去と現在、2つの世代を通して、淡く美しいラブストーリーが描かれる。

 主演のチィファ役を演じるのは、アジア映画賞の女優賞を総なめにし、中国四大女優と称されるジョウ・シュン。そして、初恋相手チュアン役を、日中合作映画『空海‐KU‐KAI‐ 美しき王妃の謎』にも出演したチン・ハオが務め、そのほか、日本版同様に、国を代表する豪華キャストが集結した。岩井監督は、プロデュース、脚本、編集、音楽も兼ね、撮影監督は、日本版『ラストレター』でも撮影を務めた神戸千木、プロデューサーにはアジア映画業界の巨匠ピーター・チャンが名を連ねている。

 2018年11月9日より中国で公開され、中国映画としてはその週の興行ランキング1位を獲得。北米、オーストラリアほか各国でも称賛を浴び、中国のアカデミー賞とされる第55回金馬奨では、最優秀主演女優賞・助演女優賞・脚本賞の3部門でノミネートされた。

 亡くなった姉・チーナン宛に届いた同窓会の招待状。妹のチィファ(ジョウ)は、姉の死を知らせるために同窓会に参加するが、姉の同級生に姉本人と勘違いされた上に、初恋相手の先輩・チュアン(チン)と再会する。姉ではないことを言い出せぬまま、姉のふりをして始めた文通が、あの頃の初恋の思い出を照らし出す…。

 岩井監督は「なかなか挑戦的なプロジェクトで、実現に相当な時間もかかりましたが、無事完走出来て、改めて振り返ると、すべてが忘れ難い思い出です。撮影は素晴らしい俳優たちとスタッフに恵まれ、幸福な時間でした」とコメントした。

 映画『チィファの手紙』は秋公開予定。