サッポロ「GOLD STAR」来年2月発売 第3のビール新商品

引用元:産経新聞

 サッポロビールは4日、第3のビールの新商品「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」を令和2年2月4日に発売すると発表した。節約志向の高い消費者から支持を受ける第3のビールは商品が乱立し、消費者は常飲商品を決めかねているとみて、30代、40代をターゲットにした新商品で新たな顧客獲得を狙う方針だ。

 ゴールドスターは自社ビール「サッポロ生ビール黒ラベル」で使う麦芽と「エビスビール」で使うホップを原料の一部に、黒ラベルなどと同じ独自製法を採用。アルコール度数は5%で、飲み飽きない味わいを目指した。350ミリリットル缶と500ミリリットル缶で展開、令和2年の販売目標は360万ケース(大瓶20本換算)。

 高島英也社長は「節約志向が強まり、第3のビールにおいしさへの期待が高まっている。われわれのビールは『飲み飽きない味』を目指しており、ゴールドスターでもその点を徹底的に追求した」と話す。ターゲット層を30代、40代に設定、来年は「ビールに似た味わい」を求める50代、60代に訴求する同社主力商品「麦とホップ」との住み分けを行う「2トップ」戦略を取る。

 大手4社のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)販売は1~10月に前年同期比1%減と縮小する中、第3は5%増と伸長を続ける。サッポロは麦とホップが他社商品におされ販売不振を続けたが、ターゲット層を明確化して8月に同商品をリニューアル。結果、12月2日には350ミリリットル缶換算で販売本数1億本を突破し、復調しつつある。

 令和8(2026)年10月のビール類の酒税一本化に向けて、来年10月にはビールは減税され、第3は350ミリ缶1本当たりで28円から37・8円へ増税となる。野瀬裕之常務執行役員は「ビールとの店頭価格差は80円から65円になる。第3のビールは来年2%程度縮小するだろう」とした上で、「麦とホップもさらなるリニューアルも検討している。第3のビールはわれわれの(販売の)課題であり、やれることはまだあるし、ブランドを建てるチャンスがある」として競争に打ち勝つ姿勢を示した。