【麒麟がくる】第2回の見どころは「牧歌的な戦い」 初回の反響に制作統括も安堵

引用元:オリコン
【麒麟がくる】第2回の見どころは「牧歌的な戦い」 初回の反響に制作統括も安堵

 NHKで放送がはじまった大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。19日の初回放送の総合テレビ(後8:00~9:15※75分拡大版)での番組平均視聴率が関東地区19.1%、関西地区19.3%と好スタートを切ったが、ネット上でも色鮮やか衣装や装飾、GoProカメラやドローンを使って撮影された臨場感とスケール感のある映像などへの反響が相次いで寄せられた。このほど行われた第2回の試写後に、制作統括の落合将氏が取材に応じ、初回の手応えと2回の見どころを語った。

【写真】美濃の侵略をもくろむ尾張の織田信秀(高橋克典)

 同ドラマは、本能寺の変を起こした明智光秀(長谷川博己)を通して描かれる戦国絵巻。仁のある政治をする為政者が現れると降り立つ聖なる獣・麒麟を呼ぶのは、一体どの戦国武将なのか。戦国初期、群雄割拠の戦乱を生きる、各地の英雄たちを最新の研究による新しい解釈も取り入れながら描いていく。作者は池端俊策氏ほか。

 初回の冒頭10分は、光秀が野盗と戦うシーンが描かれ、光秀のキャラクターが伝わる演出に好意的な意見が相次いだ。落合氏は「初回はある意味、エピソード0なんです」と指摘し、その真意をこう明かす。「戦国時代といえば、合戦シーンということで、大河ドラマのセオリーだと本能寺から始まって、その後に少年が出てきて、最後に合戦が描かれる…ということを想像されると思うのですが、1話の戦いは冒頭だけで、その後は合戦が出てこないんです。光秀への感情移入を優先させていて、地味さも持っているのですが、面白かったと言ってくださる方も多かったので、伝わってよかったという気持ちが正直なところです」。

 衣装の鮮やかさも話題となったが「回によって違う気がしていますが、考証的にどっちが正しいと置いておいて、青いとすぐ光秀ってわかりますよね。色で認識して、目で追える。本当の狙いはそっちじゃないのって思いますね。それは44回ずっと続くわけですし、セットドラマが大河ドラマの決まりですから、そういう時に色ですぐに黄色いと信長入ってきたとか、そういうのが狙いなのかな」と分析する。

 第2回のサブタイトルは「道三の罠」。望月東庵(堺正章)と駒(門脇麦)とともに美濃に帰ってきた明智光秀(長谷川博己)。しかし、その行く手には、美濃の侵略をもくろむ尾張の織田信秀(高橋克典)の大軍が迫っていた。多勢に無勢の中、籠城を決め込む道三(本木雅弘)。光秀と道三の嫡男・高政(伊藤英明)は反対するが、それは敵を欺く道三の作戦だった…。第1回でも存在感を放っていた本木だが、落合氏も「(道三に改名前の)利政時代の雰囲気をすごく再現してくれていて、そこは“悪モックン”のすごさですね(笑)。映画でもそういう役をやられる時は出ていますが」と声を弾ませる。

 本木が「第2回では、本格的な戦が描かれます。市街戦を描くことは戦国ものでも大変珍しいとのことです。槍や弓だけではなく、さまざまな戦法が出てきますので、とても面白いと思います」とのコメントを寄せていたが、落合氏も「見てほしいのは、関ヶ原の戦いより50年前の、ちょっと原始的な、牧歌的な戦いですね。日常で戦いをやっている、ある種の呑気さとかもふんわり出ています。ハリウッド映画だと、ものすごく密度の高い戦いが行われるんですけど、本当の戦争を考えると、それは2時間攻め続けたら疲れるでしょうし。牧歌的な戦国幕開け時の戦いとして新鮮なんじゃないかと思います」と呼びかけていた。