山口百恵、キャンディーズ、ピンク・レディー…「歌謡曲」の黄金時代を振り返る

引用元:TOKYO FM+
山口百恵、キャンディーズ、ピンク・レディー…「歌謡曲」の黄金時代を振り返る

さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。1月18日(土)放送のテーマは「歌謡曲」。「ディスクユニオン昭和歌謡館」店長の杉本博士さんに「1960~80年代の音楽シーン」について伺いました。

── 1960年代の音楽シーンはどうだったんですか?

1961年に坂本九さんが「上を向いて歩こう」を出して、「SUKIYAKI」というタイトルで全米1位に。これはいまだに破られていない記録です。そのころはザ・ピーナッツ、梓みちよさん、伊東ゆかりさん、中尾ミエさん、園まりさんらのカバーポップスが全盛で、洋楽のポップスを日本語に翻訳して歌った曲が人気でした。

その後に台頭してきたのがグループサウンズです。一番有名なのはザ・タイガース。沢田研二さんはもちろん、ベーシストの岸部一徳さんも俳優として活躍中ですね。それから惜しくも去年に亡くなられた萩原健一さんがいたザ・テンプターズ。「神様お願い!」という曲は後に桑田佳祐さんがカバーしています。

── グループサウンズの人気はいつまで続いたんですか?

グループサウンズの人気は1968年がピークで、1969年に入るとシュワシュワと萎んでしまいます。そのころになると安保闘争を目前に控えるという時代性もあって、反戦的なメッセージのフォークソングが人気になったんです。フォークギター1本あれば、自分たちでコードを押さえていろいろな楽曲を弾けるフォークに、若者たちは流れていきました。そんな70年代に出てきたのが吉田拓郎さんや井上陽水さんです。

その後が歌謡曲の黄金時代と言って良いかもしれません。1973~74年ごろにテレビ番組「スター誕生!」から山口百恵さん、森昌子さん、桜田淳子さんなどがデビューしてきて、国民全員が応援しているような雰囲気があったんです。1970年代の中盤~後半にかけてはキャンディーズやピンク・レディーなどのグループも出てきます。

── その後、日本の音楽シーンはどうなっていったんですか?

画期的だったのは1978年に始まったテレビ番組「ザ・ベストテン」。久米宏さんと黒柳徹子さんの司会でヒットチャートを紹介した番組です。さらにニューミュージックと呼ばれたジャンルのシンガーソングライターが台頭してきたのもこのころ。中島みゆきさん、松任谷由実さんなどは、テレビにはあまり出ないものの、ヒットチャートの上位に入ってきました。

そして1980年が歌謡曲の歴史における1つの大きな区切りになりました。山口百恵さんが引退し、松田聖子さんやたのきんトリオがデビュー。そういったアイドルの時代に入ると同時に、YMOのテクノポップも人気に。そんな風に「ガラッ」という音が聴こえるように音楽シーンが変わったのが1980年だったんです。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2020年1月18日(土)放送より)