松竹100周年 山田洋次監督と志村けんさんで記念映画公開へ

引用元:産経新聞

 松竹は24日、創立100周年を記念して新作映画「キネマの神様」を製作、12月に公開すると発表した。

 作家、原田マハさんの同名小説を原作に「男はつらいよ」などの山田洋次監督が手がける。映画の撮影所で青春時代を過ごした主人公の現在と過去、家族愛や友情を描く。

 主人公の現在をコメディアンの志村けんさん、青春時代を俳優、菅田将暉(まさき)さんが演じる。ほかに女優の宮本信子さんと永野芽郁(めい)さんの出演が決まっている。

 志村さんの映画出演は「鉄道員(ぽっぽや)」(平成11年)以来21年ぶりで、主演は初めて。志村さんは「節目の作品に選んでもらい光栄」とコメント。

 山田監督は「映画人の喜びと悲しみの人生を、映画製作100年の歴史を持つ松竹を舞台としてドラマチックに描きたい」としている。

 撮影は3月開始予定。

 出演者らのコメントは次の通り。

 志村けんさん「僕が映画に出演させていただくのは人生で2度目で、前回から約20年ぶりになります。松竹100周年という節目の作品に選んでもらい、光栄なことだと思っております。ありがとうございます。山田洋次監督の作品もたくさん見ていましたので、緊張感と不安を感じつつも撮影に入るのをとても楽しみにしています」

 菅田将暉さん「今回、このようなすてきな座組みに呼んでいただけたこと心から感謝しています。山田洋次監督のもと、キネマの神様がほほえんでくれるよう丁寧に紡いでいきたいと思います。脚本を読みながら、体が熱くなりました。この世界に入ってよかった。そんなふうに思いました。撮影所と映画と映画館とそこにいる人たち。この優しい情熱がどうか届きますように。よろしくお願いします」

 永野芽郁さん「松竹映画100周年記念作品である本作に山田組の一員として出演できること、とても光栄に思います。山田洋次監督が生み出す温かい世界に自分が存在できる喜びと緊張感で、今から撮影が待ち遠しいです。菅田さんは3回目の共演ですが、今までとは違う関係性の役どころなので、どんな空気が生まれるのか、とても楽しみです。大先輩方とご一緒して、たくさんのことを吸収できるように精いっぱい頑張りたいと思います」

 宮本信子さん「約50年ぶりの山田組となります。山田洋次監督が手がける『キネマの神様』という、この上なくすばらしいタイトルをもった作品に参加できることをうれしく思っています。志村けんさんとご一緒するのは初めてなので、とても楽しみにしております。映画を愛するお客さまに届けられるよう撮影に臨んでまいります」

 山田洋次監督「その昔、映画が娯楽の王座を占め、また日本映画が世界中の関心と尊敬を集めていた黄金時代があった。あの頃の撮影所はまさに夢の工場として活気にあふれていて、通俗娯楽映画から映画史に残る芸術作品まで続々と作られていた。この時代に華やかな青春時代を過ごした映画人の喜びと悲しみの人生を、映画製作100年の歴史を持つ松竹を舞台としてドラマチックに描きたい」