東出が“浮気”の恋人を拒む側を演じた「寝ても覚めても」

引用元:東スポWeb
東出が“浮気”の恋人を拒む側を演じた「寝ても覚めても」

【ニュースのフリマ】唐田えりかという名をどこかで見たと思い返していたら、2018年のカンヌ国際映画祭で好評を博した「寝ても覚めても」(濱口竜介監督)のヒロインだった。その恋愛相手2人を一人二役で演じた東出昌大とのスキャンダルで、この映画も改めて注目される事態となった。

 カンヌのコンペティション部門に出品され、各ブックメーカーのパルムドール賭け率もそこそこの数字がついていた。審査で「万引き家族」(是枝裕和監督)がこの賞に輝いたわけだが、あの蓮實重彦先生は日本の劇場版パンフレットに「濱口監督の新作とともに、日本映画はその第三の黄金期へと孤独に、だが確実に足を踏み入れる」とコメントを寄せている。

 とりわけ蓮實氏が絶賛したのがラストシーン。東出と唐田が戸建て住宅2階で並んで視線を外に送る。「ここには、二十一世紀の映画史でもっとも美しいロングショットさえ含まれている」というのだ。

 唐田演じるヒロインは東出演じる恋人がある日突然いなくなり、時を経て東出二役目となる、そっくりさんと恋に落ち、結婚へと話が進む。そこに元カレが現れると唐田は現在の恋人を裏切る。その揚げ句、現恋人と暮らすはずだった前出の住宅へ。唐田は復縁をきっぱり拒まれるも、やがて宅内へ。そして2人は向き合うことなく、外を見やった…。

 友人から「絶縁」を通告されても元カレのもとに走った唐田が、なぜ現在の恋人との生活に舞い戻ろうとしたのか。明確な場面はない(と記憶している)。時間にして短く、しかも肉体関係の復活さえなさそうな“よろめき”にもかかわらず、現カレはかたくなに復縁を拒む。

 それはともかく、ひたすら“一人”の男性を思い続けるヒロイン、バイク転倒で道路に投げ出されたまま空を仰ぐカップルの姿、ドキュメンタリー映画にもなった夭折の写真家・牛腸茂雄の展示会。感情をかきたてる描写がみずみずしい。

 そんな秀作から生まれた関係がまさかの不倫スキャンダルに。しかも東出は実生活では拒まれる側にいるようだ…。