SFC『FE紋章の謎』 魅力は「手強さ」と人間ドラマ「剣で私を好きなようにして」

引用元:マグミクス
SFC『FE紋章の謎』 魅力は「手強さ」と人間ドラマ「剣で私を好きなようにして」

 1994年1月21日、スーパーファミコン用ソフト『ファイアーエムブレム 紋章の謎』が発売されました。同作は1990年4月20日に発売されたファミコン用ソフト『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』のリメイク版と、その続編が収録されているのが特徴。

【画像】30周年を迎える「FE」シリーズ 変わらぬ人気(5枚)

 旧作をプレイしていない人でも楽しめ、すでにファンであるユーザーも新しいハードになったことでクオリティがアップした画面や音楽でゲームが楽しめる構成です。

『ファイアーエムブレム』(以下、FE)といえば、オペラ調で歌われる「ファイアーエムブレム 手強いシミュレーション♪」というファミコン版発売時のCMが印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

 歌詞にあるとおり、『FE』の魅力は「手強さ」。「ユニット」と呼ばれる自軍のキャラクターは、戦闘で敗れると「ロスト」し、二度と戻ってきません。襲ってくる敵ユニットに対し、作戦を立てて自軍のユニットを配置するシミュレーションゲームの要素。そして、ストーリーの面白さ、登場時のレベルが低いキャラクターほど成長の可能性が高く、経験を積ませてレベルアップさせていくRPG要素。『FE』は「シミュレーションRPG」というジャンルの代表作といえます。

 また、敵のなかには、自軍の特定のキャラクターで話しかけることで仲間になる者も。敵として襲いかかってくれば、自軍のユニットはあらかじめ武器を外しておくなどしなければ、反撃してしまいます。仲間にする前に倒れてしまわないよう、タイミングや時間との戦いも求められるのです。

 何十ターンもかけて戦闘を進めても、自軍のユニットが倒れれば、多くのユーザーが「リセット」を選択しました。それまでにかけた時間は全て水の泡に。レベルアップしてたまたまステータスが多くアップしても、それもなかったことになるのです。もちろん、主人公のマルスが倒れればその時点でゲームオーバー。

 倒れたユニットを諦めて物語を進めることも、もちろんできます。ですが、迎えたエンディングで流れる各キャラクターの後日談で、倒れた者は戦死の記録しか語られません。本来であれば、平和になった世界で新たな地で生活を始めたり、幸せな結婚をしたりするはずであったのに……。キャラクターたちが皆「死なせたくない」と思わせる、魅力や個性を持っていたのも、プレイヤーを再びゼロから踏ん張らせる活力となっていました。