仮面ライダーX・速水亮、今のライダー俳優に説く“立ち回り”の大切さ

引用元:オリコン

 『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』に続くシリーズ第3弾で1974年2月から10月まで放送された『仮面ライダーX』のBlu-rayが、来年3月11日に発売される。それを記念して、仮面ライダーX・神敬介役の速水亮(70)とスーツアクター・新堀和男(64)が、インタビューに答えた。今では考えられないような過酷な撮影現場の裏話から、今も多くいるファンに向けて感謝の言葉を語った。

【写真】力強く握手を交わす新堀和男と速水亮

 「子ども番組でやる立ち回りで、しかも主役なんてプレッシャーだった」と話す速水。「剣友会(※アクションやスタント、スーツアクターを務めた演劇・殺陣集団)がタバコでも買いに行くくらいの感じで、高いところから飛び込むんですよ。こっちも主役だから負けられないんだけど、本当は足が震えてた。怖くてもそれを見せずに、一番高いところから飛び降りる。そんなところで日々、戦っていましたね。楽しいのは弁当くらい」と振り返る。

 『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(2014年)で34年ぶりにライダーの撮影現場に戻った際には「なんと現場の優しいこと!」とスタッフを含めて変化を実感。「寒い中での撮影だったんだけど、テストが終わるとメイクさんとか衣装さんがコートを持ってきてくれる。当時はそんなことなかったよ。大雪の中でも多摩川に突き落とされて、ガタガタ震えてたのに誰も何もしてくれなかった。あれだとライダーはヘナチョコになるね」と恨み節も交えながら笑顔を見せた。

 新堀は「誰かが途中で間違えると『馬鹿野郎! この野郎!』と一緒になって怒られてたんです。演じる人間というのは、人前で恥をかかないといけないよね」と、ミスを共有したことが成長につながったと話す。

 14年に『仮面ライダー555』で仮面ライダーファイズ・乾巧役の半田健人と共演した速水。「半田くんがセメントの上で頭から突っ込んでいくんだよ。『立ち回りやったことないの?』と聞いたら『ありません』と言われて。俺たちは柔道をやってたから受け身もわかるんだけど、いまの子たちはわからないんだよね。ライダーをやる1番の特典は立ち回りを覚えること。『ライダーをやっている=立ち回りができる』なの。平成ライダーはやっていなから大問題だよ。なんで東映さんはやらせないんだよ!」と笑いながら喝を入れる。

 続けて「リラックスした形で芝居をするのが理想だけど、それはカメラに慣れるしかない。ライダーをやればカメラの前で芝居をするのが日常になるんです。だからライダーが終わった後は緊張しなくなった。これはめちゃくちゃ利点になる」とライダーに出ることの意義を語る。“平成ライダー”は「見てない」と断言する速水だが「今の新人もいかに(ライダーが終わった後に)緊張しないように成長できるかだね」と現在活躍を見せるライダーたちにメッセージも送った。

 現在も多くのファンがいるライダーシリーズ。新堀は「ライダーの歴史の中に『新堀和男』が入れたことはうれしい。これからも頑張ってもらいたいし、見ている人も作品をつきつめながら、もっともっと応援してほしい」とファンに感謝するとともに、今のスタッフやキャストに成長を期待する。

 速水も「ライダーは自分にとって原点。藤岡弘、さんなんてほかにあれだけ主演もやっているのに、いまだに『仮面ライダー』でしょ? ライダーはそういう存在なんです。ファンのみなさんにはとっても感謝しています。ライダーはファンがいなかったら始まらない」と往年のファン、そして今のファンへ感謝の言葉を送った。