地上波から消えた不当を証明した「新しい地図」のスター感

地上波から消えた不当を証明した「新しい地図」のスター感

【今週グサッときた名言珍言】

「今日はもう皆さんにバレないように、こっそり箱に入ってここに来たんで」(香取慎吾/日本テレビ「スッキリ」1月8日放送)

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「新しい地図」チームと対戦し負けた加藤浩次、近藤春菜、水卜麻美アナが「罰ゲーム」で香取慎吾(42)の新曲を歌って踊った後、電話で感想を述べていたはずの香取本人がサプライズでスタジオに登場した。その際、カルロス・ゴーン被告の国外逃亡をパロディーにした一言を今週は取り上げたい。

 ジャニーズ事務所を退所し、「新しい地図」として活動を始めると、NHKのパラリンピック関連の番組などの例外を除き、香取たちは民放の地上波のテレビから姿を消していた。そんな「新しい地図」の3人が今回の年末年始で最も目立っていた。

 大晦日には「絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時」(日本テレビ)に出演。草彅剛(45)は「全裸監督」村西とおるを模した白ブリーフ一丁にカメラを抱えて登場。かつて自身が起こした全裸事件をも笑いにした。香取も極端なミニスカでパンツ丸出し。さらに稲垣吾郎(46)はどぶろっくの、ど下ネタソング「大きなイチモツをください」を堂々と歌い上げた。

 年明けに放送された「出川哲朗の充電させてもらえませんか? 新春パワスポ初詣3時間スペシャル」(テレビ東京)でも、3人はリレー形式で参加。街の人から大歓迎を受け、三者三様のスター性を見せつけた。加えて、稲垣はNHK・Eテレの「100分deナショナリズム」にも出演し、「ゴロウ・デラックス」(TBS)でも見せていた読み手としての柔軟さと、かみ砕き力を発揮していた。

「笑ってはいけない――」の出演について、草彅は「久しぶりの地上波だったので。カメラとかもデカいんですよ」「地上波の空気みたいなのがあるんですよ。その感じ、その感じ! って」(AbemaTV「7・2新しい別の窓」20年1月1日)と振り返った。

 かつて「笑っていいとも!」(フジテレビ)で一緒にレギュラー出演していたココリコも自分を見て笑ってくれている。だから「バカなことやってるんですけど、結構ジーンと」(同前)していたと。そんな心境だったからか、思わず草彅は言った。

「テレビ最高! ネットテレビもいいけど、地上波のテレビっていいっスね。なんかね、また皆さんと会える気がします」(日本テレビ「笑ってはいけない――」19年12月31日)

 その言葉通り、今年はきっと3人の姿を地上波のテレビで、もっと見ることができるだろう。何しろ、この年末年始で彼らは証明したのだ。テレビタレントとしての能力の高さと圧倒的なスター性を。そしてカルロス・ゴーンが(行ったことの是非は別にして)日本の司法に感じていたように、彼らが地上波から消えたことがいかに「不当」なことだったかを。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)