麻薬的“ギャグドラマ”の虜に BS12「課長バカ一代」

引用元:夕刊フジ

 【週間BSマップ】★課長バカ一代<1月19日(日)午後7時 BS12>

 12日から毎週日曜日午後7時、BS12 トゥエルビで放送がスタートしたのがドラマ「課長バカ一代」。これは、「ミスターマガジン」(講談社刊)で1996年から2000年まで連載された野中英次によるギャグ漫画の実写化なのです。

 この物語(?)は、老舗家電メーカー・松芝電機のビジネスマンたちのビジネスと、ビジネス以外の物語、とでも言いましょうか…。主人公は商品開発企画課の係長、33歳、八神和彦。この男がある日、いきなり昇進を告げられます。任命された肩書は「課長補佐代理心得」。微妙な肩書に困惑しながらも、仕事に励む(?)八神。果たして八神に、どんな試練が待ち受けているのか…?!

 私は一応落語家ですので、コメディーと名の付く作品には自分なりのこだわりがあります。

 はっきり申しあげると、このドラマの第1話を見始めて、「あまり好きじゃない!」と思っておりました。理由としては、あまりに漫画的だからです。そんなにギャグを強調しなくてもいいのに…と。

 しかし、そのままずっと見ていると、面白くなっていくのです! あまりに馬鹿馬鹿しいギャグと演出が連なっていくと、それが麻薬のように心地よくなっていくのです。考えてみれば、漫画が原作なので“漫画的”なのは当たり前なんですよね。私は原作の漫画を読んでいないのですが、きっと原作の世界観をそのまま出すとこのドラマのようになるのでしょう。そして、この原作の底力というものを十分に知ることができます。

 そして、このギャグドラマの主人公を演じているのがなんと、歌舞伎役者の尾上松也なのですよ! こんな馬鹿馬鹿しい役はきっと初めてでしょう。ですから、これから尾上さんがどう覚醒していくかが楽しみです。

 全10話+スピンオフ1話で繰り広げられるコメディードラマ。カッコいい役者がギャグドラマの主人公までやって、これ以上モテるようになると思うと、悔しい~!(立川志らべ)