空想の友達はヒトラー! 心優しき少年に世界が共感『ジョジョ・ラビット』

引用元:TOKYO HEADLINE WEB
空想の友達はヒトラー! 心優しき少年に世界が共感『ジョジョ・ラビット』

 アドルフ・ヒトラーを空想上の友達にし、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士を目指す少年の成長をかつてない視点で描く驚きと感動の物語『ジョジョ・ラビット』がいよいよ日本公開。今年の賞レースで大注目を集める本作だが、中でも主人公ジョジョを演じた10歳の天才俳優ローマン・グリフィン・デイビスは本作が映画初主演ながら大絶賛。第77回ゴールデングローブ賞・主演男優賞(ミュージカル&コメディ部門)にノミネートされた。観客賞を受賞したトロント国際映画祭の発表時には「僕は、ちょうどママと一緒にランチを食べていたところだったんです。ママはインターネットを4秒ごとに更新していたから“ママ、『ジョーカー』が受賞したに決まっているって。もうやめようよ”と言ったんだけど (笑)」と茶目っ気たっぷりに振り返る。

 一方で、難しい役どころにも正面から向き合ったローマン。「オーディションから帰ってきた後“どうやらこのキャラクターはナチスみたい”と言ったらママに“まさか”と言われたんだ。その後、ヒトラーユーゲントについて知ったんだ。ドキュメンタリーを見たんだけど、とてもショックだったよ。僕たちは夜遅くまで起きて、リサーチをしたんだ。歴史のその部分について自分が知らなかったということがショックだったから。それが子供だったというのが怖いところだよ」。ナチス支配下のドイツを舞台にしながらも、優しさやユーモアにあふれた人生賛歌がつづられる本作。「今、世界中に憎しみがあふれているからこそ、かつてないほど共感できるんだと思います。そんな気持ちが良い結果を生まないことをこの映画は気づかせてくれるんだと思う。単なるジョークで終わるのではなく、この映画の裏にはもっと大きな意味があるんだ」。

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)