ゴーン被告が意気込む“告発映画”に渡辺謙が出演の可能性

ゴーン被告が意気込む“告発映画”に渡辺謙が出演の可能性

 昨年末、保釈中の身でありながらプライベート・ジェットを使って日本からの密出国に成功した元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)。1月2日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ゴーン被告の密出国直前の怪しげな行動を明らかにした。同紙によればゴーン被告は、都内の制限住居で、プロデューサーのジョン・レッシャー氏(53)と極秘裏に接触していたという。

 レッシャー氏は2014年の米アカデミー賞作品賞映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」をプロデュースした人物。ゴーン被告はハリウッドの著名なプロデューサーに自らの不当投獄の実態を涙ながらに訴え、日本の“人質司法制度”を告発する作品の製作を提案したと報じられた。ゴーン被告は映像用のプロットも準備していたという。

 筆者はこの報道の直後から、レッシャー氏がプロデューサーを務める米国のノース・ロサンゼルスの製作会社の関係者などを取材し、新たな事実が判明した。

 まずゴーン被告とレッシャー氏の“密会”は計画的なものではなくたまたま実現した。レッシャー氏の来日の本当の目的は、米ワーナーメディアの映像配信サービス「HBO Max」が配信予定のドラマ「Tokyo vice」のロケハンが目的だったという。ゴーン被告がそこに割り込む形で面会が実現した。

 この「Tokyo vice」は、元読売新聞の外国人記者のジェイク・エーデルスタイン氏が09年に書き下ろした作品がベースになっている。日本の組織犯罪の裏側をリポートしたノンフィクションだ。ドラマのロケは今年2月初旬から本格的に日本で始まる予定で、ゴーン被告はこのエーデルスタイン氏ともコンタクトを取っていたそうだ。

 はたしてゴーン被告の“告発映画”は実現するだろうか。彼のプロットがノンフィクションなのか、それともフィクションなのかで全体像は変わってくるが、日本を舞台にした作品になるのは確実で、日本人の俳優やスタッフが欠かせないはずだ。

「プロデューサーのレッシャー氏が日本人のビジネス・パートナーとして高く評価しているのがハリウッドでも有名な渡辺謙さんです。2月から日本ロケが始まる『Tokyo vice』でも、渡辺さんは主人公の新聞記者を陰でサポートする刑事役を演じます。ゴーン被告の作品に俳優として参加する可能性があるのはもちろん、ナレーションやプロデューサーとして関わることも十分に考えられます。それくらいレッシャー氏と渡辺さんの信頼関係は厚いのです」(ハリウッド関係者)

 ゴーン被告はもし映像化できるとしたら、既かつて公開され商業的にも成功した〈『ミッドナイト・エクスプレス』みたいな映画が理想〉と欧米メディアのインタビューの中で答えた。

 今春配信予定の「Tokyo vice」で再び世界的なブレークが予想される渡辺謙。国際手配された“汚れた英雄”の作品にどこまで関わるのか注目される。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)