久保田紗友、クールビューティーな20歳 「変顔もしちゃう」意外な素顔

久保田紗友、クールビューティーな20歳 「変顔もしちゃう」意外な素顔

 NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』やドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)など話題作で演技派として存在感を発揮し、注目の若手女優となった久保田紗友。新田真剣佑と北村匠海がダブル主演を果たした映画『サヨナラまでの30分』では、悲しみを抱えたヒロインをみずみずしく演じている。キリリとしたまなざしも印象的なクールビューティー。しかし、「大人っぽく見られることが多いのですが、普段の私は変顔とかもしちゃうし、会ってみると“意外だね”とよく言われます」と笑うなど、そのギャップも大きな魅力。今日1月18日に20歳を迎え、さらなる飛躍が期待される久保田の素顔に迫る。

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■つらいことも表には出したくないタイプ

 本作は、人と関わることが苦手な颯太(北村)が、1年前に亡くなったバンドのボーカル、アキ(新田)が遺したカセットテープを拾ったことから始まる青春音楽ラブストーリー。カセットを再生する30分だけアキと颯太がひとつの体を共有する。この“入れ替わり”をテーマに、音楽や誰かを愛することなど、人生の機微が描き出されていく。久保田はアキの生前のバンドメンバーで、恋人でもあったカナを演じた。

 恋人を亡くした過去を抱え、頑なになってしまったカナの痛みを体現した久保田。カナについて「アキが亡くなってしまい、カナはその悲しみを周りに知られたくないと思っている女の子。ほかのことに集中するように生活をして、弱い部分を見せないようにしているんです。でも内心はすごく繊細な痛みを抱えている」と分析するが、「私もつらいことがあってもあまり表には出したくないと思っているタイプなので、そういったところはカナに似ていると思います」と共感できる面も多かった様子。

 アキだけでなく、颯太にとっても大切な女性となっていくカナ。新田や北村との共演の感想を聞いてみると、「新田さんは、休憩時間もずっとギターの練習をされていました。本当にストイックな方で、尊敬しています」と明かし、「北村さんと私はピアノの連弾シーンがあったのですが、待ち時間も2人でピアノの前に座って練習をしていました。その時間にとても距離が縮まって、カナをとても演じやすくなったんです。現場を和ませるような雰囲気もあって、新田さん、北村さんから、主演としてのあり方を学んだような気がしています」と刺激の多い現場となったという。

■北海道から母と上京 「後戻りはできない」女優への覚悟

 「テレビに出てみたい」という漠然とした興味から、地元・北海道で芸能活動をスタートさせた久保田。「事務所で演技レッスンを受けて、女優さんの道に進みたいと思ったんです。私の母はいつも“自分の好きなことをやっていいよ”と言ってくれるんです。“その代わり、責任は自分で取りなさい”と。今は違いますが、当時は母も一緒に上京してくれたので、“もう後戻りはできない”と女優への覚悟が決まりました。母のおかげで、強くなれています」と感謝する。女優業の醍醐味(だいごみ)として感じているのは、本作で新田や北村と出会えたように「たくさんの刺激をもらえること」なのだとか。「作品によっていろいろな方と出会えるし、役によってたくさんのチャレンジもできる。今回は半年にわたってピアノを弾く練習をして、その楽しさを知りました」。

■「意外だね」「ギャップがある」と言われることも

 『べっぴんさん』では一人で子どもを生み、育てようとする五月役。『過保護のカホコ』では、カホコのいとこで、気が強い一面を見せる糸役を演じるなど、「大人びた雰囲気のある役や、芯が強い役、秘めた思いを抱えている役をいただくことも多いです。見た目のせいなのかな?」と笑うが、「“壁を作られてしまいそう”と言われることもあって。でも実際の私はいたって、普通というか。変顔をしちゃうこともあるし、“意外だね”“ギャップがある”と言われることも多いです」と素顔はよく笑う、なんともキュートな女の子だ。

 20歳となり、ますますの活躍が期待されるが、女優としての展望は「いろいろなことを身を持って経験して、それを役に投影していきたい」とまっすぐに語る。「何事も経験することでしか学べないと思っています。つらいこと、苦しいことも糧になるのが、このお仕事。つらいことがあると、“大変だ”と思っている自分がいる一方で“こんな経験ができてラッキーだ”と思っている自分もいて(笑)。演じる上では、レッスンが必要だったり、負荷のかかる役もありますが、そういうものがあると余計に集中できたりもする。いろいろなことをポジティブに変換できるタイプなんです」となんとも頼もしい言葉。

 転機とも言えるのが『過保護のカホコ』で、「『過保護のカホコ』ではたくさんの方に知っていただき、『糸ちゃん』と街で声をかけていただくこともあって! すごくうれしかったですね。感想や反応をいただけることが、一番のバネになります」と声を弾ませる。ポジティブ精神でどこまでも駆け上がっていきそうな久保田紗友。凛(りん)とした瞳に無限の可能性を秘めている。(取材・文:成田おり枝 写真:松林満美)

 映画『サヨナラまでの30分』は1月24日より公開。
 
 ファースト写真集『久保田紗友』が双葉社から発売中のほか、主演ドラマ『鈍色の箱の中で』が2月8日からスタート。