平松愛理、震災から25年「私に何ができるか…」

引用元:日刊スポーツ
平松愛理、震災から25年「私に何ができるか…」

神戸市出身のシンガー・ソングライター平松愛理(55)が、阪神・淡路大震災から25年の17日、同市内で、最後のファンの集い「KOBE MEETING」の開演前に取材を受けた。

「昨年秋に、自慢の父が亡くなった…ことですかね」。平松は乳がんなど度重なる病にもめげず、97年から続けてきたファンの集いを最後にした理由のひとつに、父の死をあげた。

震災時、平松の父は神戸市須磨区内で開業医をしており、医院は震災で全壊。「がれきの下から点滴袋、薬を取りだして、隣の空き地で無料診療をしていた自慢の父でした」。昨年10月、その父が89歳で亡くなり「この後、私に何ができるかを考えるようになった」と振り返った。

神戸で生まれ育った平松は95年1月17日、全国ツアーの合間にインフルエンザでダウンしていた。「私は神戸にいなかった。東京にいた。その罪悪感がずっとあった」と吐露。幼なじみや友人、知人が多く亡くなった。「神戸が好き」との思いで始めた集いも、スタートから数年は、友人からも「もう思い出したくない」と言われ、悩んだ。それでも、同じ痛みを持つ仲間が「1年に1回集まる場所を作りたい」と考え、継続。02年は、乳がんの術後3週間後でマイクを握った。

収益金は、あしなが育英会神戸レインボーハウスなどへ寄付しており、この日、開演前には、同育英会から感謝像を受けた。【村上久美子】