ニヒルな探偵と天才ネクラ少女が活躍する正統派ミステリーアドベンチャー『シロナガス島への帰還』Steamから2月26日に発売決定!

引用元:IGN JAPAN
ニヒルな探偵と天才ネクラ少女が活躍する正統派ミステリーアドベンチャー『シロナガス島への帰還』Steamから2月26日に発売決定!

同人サークル「旅の道屋」によるミステリーアドベンチャーゲーム『シロナガス島への帰還』がSteamで2月26日から発売することが決定した。本作は第二回講談社BOX新人賞「Stones」を受賞経験のある島根県出身作家、鬼虫兵庫が開発した作品であり、シナリオやイラストなどほぼ1人で手掛けている。
2018年の冬のコミックマーケット95で初めて頒布された同人ゲームであるが、その後、作者のBOOTHを含めて、各種同人ショップで販売。シナリオやキャラクター設定の完成度の高さから話題となっていた作品である。筆者は既にBOOTHから購入したダウンロード版をクリアしているが、うわさ通りの完成度だった。

「シロナガス島への帰還」画像・動画ギャラリー

ストーリーは絶海の孤島「シロナガス島」で発生した殺人事件をメインに、島の成り立ちや過去の陰惨な歴史を解き明かすというもの。ミステリーにおける定番設定であるクローズド・サークルものながらも、魅力的なキャラクターと舞台設定、ハードボイルド小説を思わせるクールな描写からライトノベルを思わせるコミカルなタッチまで書き分けられたテキストで、次々に発生する事件を選択肢付きのノベルゲームとして小粋にまとめた作品となっている。

特にキャラクター設定はキャッチー。主人公の相棒役の出雲崎ねね子は、20カ国以上の言語をネイティブレベルに話し、一度見た光景を完全に記憶できる完全記憶能力を保持しながらも、超絶「コミュ障」で人とコミュニケーションがまともに出来ないというギャップを持ち。その根暗な見た目も含めて、一部の人から熱狂的に愛される性質を持つ(主人公の池田曰く、風呂に入ってないから臭いそうだ)。

また主人公の池田戦は昨今珍しいナイスミドルの探偵で、豊富な銃器の知識と機転を利かせて主人公らしい活躍を見せる一方、ねね子との会話はコントのようで面白い。
全体のボリュームは5、6時間程度であり、イラストやカットシーンなどは少なめで小粒な作品。しかしながら、シナリオや会話の品質はかなり高く、「さすが作家!」と思わせてくれる。また特定のヒロインという存在はいないが、パートナーのねね子を含めて、作者の趣味がいかんなく発揮されたキャラクターたちは魅力的で、イラストも良い意味で同人ゲームらしい味がある(気になった方はSteamのコミュニティページで作者本人が公開しているイラストを見ると幸せになれるかもしれない)。
本作とは別の新作も開発中とのことだが、本作のキャラクターが魅力的だけに、池田とねね子の続編もみたい気がする。本作の発売日は2月26日、価格はBOOTHなどと同じく500円。日本語版に加え、英語版と中国語(簡体字)のローカライズ版を同時リリースする予定だそうだ。 今井晋