香川照之はコメディアンとしても一流…主役食いの“原動力”は

香川照之はコメディアンとしても一流…主役食いの“原動力”は

〈この香川照之、なんか新鮮〉

 ネット上にはそんな感想も書き込まれていた。1月6日にテレビ東京が放送した新春ドラマスペシャル「最後のオンナ」。藤山直美(61)のテレ東ドラマ初主演となるホームコメディーで、ほかに岸部一徳、深津絵里、岸本佳代子、千葉雄大らが出演と、なかなかの豪華キャストだった。

 中でも、香川照之(54)の演技が〈新鮮〉と話題になったのだ。岸部の役柄は老舗のおかき屋の社長。そのひとり娘が深津で、香川は深津の夫で入り婿の大介を演じた。

 香川といえば、ドラマ「半沢直樹」をはじめ、ひと筋縄ではいかないクセのある役の印象が強いが、大介は妻の顔色ばかりをうかがう、ちょっと気弱な男だ。

 ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏はこう言う。

「これがクセのある香川さんに慣れていた視聴者には新鮮だったようですね。お得意の顔芸も〝気弱バージョン〟でたくさん披露していて、コメディアンとしても一流だなと、しみじみ思わされました。歌舞伎俳優として活躍されてから、身のこなしが一層軽くなったような気がするのは私だけでしょうか? 今回はホームドラマだったのですが、何げない日常生活の中の香川さんの動きが無駄に俊敏なところが、また、やけに面白かったんですよね」

 これまでも数々のドラマや映画で「主役食い」と評されてきた香川。「最後のオンナ」でも、その存在感が際立ったようである。

 香川は俳優と歌舞伎役者の二足のわらじを履き、多忙を極めているようだが、香川の長男である市川團子(15)もそんな父に負けじと歌舞伎俳優として着実に成長している。

 都内に住む70代の歌舞伎ファンの女性は「このお正月に、團子さんが市川猿之助さんと共演した連獅子を銀座の歌舞伎座で拝見しました。團子さんの歌舞伎役者としてのデビューは8歳と歌舞伎界の中では少し遅めでしたが、ここ最近、メキメキと力をつけてきたように思います。仔獅子らしい無邪気さとひたむきさをしっかりと表現していて、團子さんの連獅子はとっても良かったですよ」とベタ褒めだ。

「いまだに香川さんが市川中車として歌舞伎に出演することに対し、批判的な声も少なからずあります。けれど、いつか團子に猿之助を継がせるまでは、香川さんはどんな無理をしてでも歌舞伎出演は続けるつもりなんだと思います。それがすべての“原動力”なんでしょう」(芸能プロ関係者)

 俳優、歌舞伎役者、そしてNHK・Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」で昆虫愛を熱く語る“カマキリ先生〟としてもお馴染みの香川。今年も縦横無尽の活躍ぶりを見せてくれそうだ。