声優ユニット・Run Girls, Run! 振り幅の大きさと広がる可能性を見せた新曲「キラリスト・ジュエリスト」を語る【インタビュー中編】

声優ユニット・Run Girls, Run! 振り幅の大きさと広がる可能性を見せた新曲「キラリスト・ジュエリスト」を語る【インタビュー中編】

 声優ユニット・Run Girls, Run!の6thシングルは、TVアニメ『アサシンズプライド』のOPテーマ「Share the light」をはじめ、どれも異なる個性が際立つ強力な3曲が収録された濃すぎる1枚に! 本作にまつわるインタビューは「声優アニメディア 2020年1月号」でも掲載されているが、ここでは誌上に掲載しきれなかったエピソードもたっぷりご紹介。それぞれの楽曲への3人の思いや意図を受け取って、ぜひ改めて楽曲やMVに触れてほしい。今回はインタビューの中編をお届け。表題曲から一転! “かわいい”を突き詰めた「キラリスト・ジュエリスト」

――そして、先ほどからお話によく出ている“大人っぽさ”は、この曲のMVからも強く感じられました。

林 本当ですか!? 嬉しい!

厚木 しかも今回もまた、初挑戦のことも多かったんだよね。シルエットだけのダンスシーンがあったり……。

森嶋 そのシルエットのところの振付で、手が鉤爪みたいになっているところがあるんですけど、そこの見え方がすごく面白くて好きなんですよ。

林 もちろんステップもなんですけど、その他角度とかも含めた細かいところまで、手が結構ダンスのポイントになっているように思います。

――ロケーションも作品にすごくぴったりでしたからね。メリダの屋敷を連想するようなお屋敷や噴水があったり……。

厚木 その噴水のシーンは私のソロだったんですが、まだ夜が肌寒い時期だったうえに、撮影順がいちばん最後で。しかも、めちゃめちゃ噴水の水がかかってくる風向きだったんですよ。だからもう、すごく寒かったんです!

林 終わったあと、ぷるぷるしてたもんね(笑)。

――その他、ドラマパートも結構作り込まれていて。

森嶋 はい。その中で、私が何かに怯えて逃げるようなシーンがあったんですけど、いつもの感じでちょっとオーバーに「きゃ♪」みたいにやったらダメだったみたいで、撮り終わった瞬間みんな超笑ってたんですよ! あれ、めっちゃ恥ずかしかったです(笑)。そのあと御指導いただいた成果がMVにありますので……ぜひチェックしてみてください。

――ただ、別カットでは森嶋さんが不敵な笑みを浮かべているシーンもあって。そこも魅力的でした。

林 もっちー(森嶋)、ほんと表情作るのうまいんです!

森嶋 まぁ……頑張ったからな(照)。

林 あと、MVの配信が始まったときに先輩方が観てくださって、「今までとはまた違った感じで、めっちゃいいね!」って声をかけてくださったんですよ。発売前にわざわざチェックしてくださった事自体もですし、いつもと全然雰囲気の違うMVを通じて「こんな顔できるんだね」みたいに言っていただけたことも、すごく嬉しかったです。

――そして今回はカップリングも2曲ございますが、そのうち「キラリスト・ジュエリスト」は『キラッとプリ☆チャン』のOPです。

林 はい。この曲もブレスする位置が難しかったりリズムが速かったりとすごく難しい曲なんですけど……でも、自分のパートの「個性はドキドキしている自分だけのジュエル」っていうフレーズがまさに『プリ☆チャン』そのものを表しているようで大好きなんですよね。

――どう心に刺さりましたか?

林 曲自体のテーマも「それぞれの個性を輝かせる」というものなんですけど、たとえばアイドルを目指すときって「うまくならなきゃいけない」とか「かわいくなきゃいけない」みたいな気持ちになってしまうときもあるでしょうし、自分の色を出すことも簡単なようで難しいことだと思うんです。でも「自分なりの輝きを見つければいいんだよ」って示してくれるのが『プリ☆チャン』のいいところですし、それを表しているのが「キラリスト・ジュエリスト」であり先ほどのフレーズだと思うんです。なのでこの一節が、すごく好きなんです。

厚木 サビにも「一生懸命が軌跡になる」っていうフレーズがあるんですけど、何かに憧れてそれに向かって頑張ってるときって、意外と「なりたいけど何を頑張ればいいかわからない」っていうことが結構あると思うんです。でも、キラキラしたかわいい曲の中でこのフレーズを歌ってくれると、すごく勇気が出るなと思って。そういう夢見る女の子の背中を押してくれるようなところにプリティーシリーズのOPらしさもありますし、シリーズとしてのテーマも感じられる曲なんですよね。

森嶋 それに、歌詞もメロディも乙女チックでとってもかわいくて、それこそプリティーシリーズを好きでいてくれてる年頃の女の子にすごく刺さる曲なんですよ。歌詞にも「リップグロス」とか出てきちゃうし。なので、自分もこの曲を聴いた子たちの憧れの的みたいな存在になれたらと思って、自信を持って歌えるように感情を込めました。

――サウンド的には、今までの『プリ☆チャン』OP曲の中で最もポップ寄りな気がします。

林 そうなんです。途中に出てくる「pa・pa・pa・ya・pa」みたいなコーラスの部分とかも、めちゃめちゃかわいいんですよ! ただそのぶん、「かわいいって、改めて難しいな」と思いました。自分自身としてかわいい歌い方をする、っていうところに難しさを感じました。

厚木 本当に、とにかく曲自体がかわいすぎて! なので、レコーディングの日にはスタジオに向かいながら「かわいく歌うぞ、かわいく歌うぞ……」って気合いを入れて挑んだぐらい、私も過去イチ歌声をかわいく振りました。あと、途中でセリフが入ってるというのもあってか、キャラクターではないですけど、ひとりの人として自分なりの色をうまくにじませられたらいいなと思いながら、歌わせていただきました。

森嶋 私はそういうセリフっぽい部分もあったので、かわいさプラス表現力みたいなものも必要になるんじゃないかなと思って、特に喜怒哀楽を入れることを意識しましたね。そのセリフチックな部分は、感情をより込められるように何度も録り直したりもしたんです。でも、表題曲とは違ったかわいいポイントもいろんなところに散りばめられているので……ぜひ、みんなのお気に入りの“かわいい”を教えてください!

――かわいいポイントというと、Bメロに「プリ☆チャン!」のように盛り込まれているコールも上げられると思います。

林 そうなんですよ。あれもかわいいですよね!

厚木 歌詞には載っていないので、聴き込んで覚えて、コールを入れていただけたら……。

森嶋 あれも何種類か録ったよね?

林 うん。「キラッと!」とか……そうだ! 実は私がレコーディングのトップバッターだったんですけど、そこに作詞の只野(菜摘)さんもいらっしゃっていて。そのとき「何か『プリ☆チャン』っぽいセリフってありますか?」と尋ねられたんです。それで「みらいはよく『キラッと』と言います」とお話したら、「じゃあ『キラッと』って言ってみましょう」ってなったんですよ。

森嶋 えー、すごい! 私、元からあるんだと思ってた。

林 2番でチラッと聴こえると思うので、ぜひ注目していただけたらと思います!

――ちなみにこの曲、ダンスはどのようなものに?

厚木 振付自体はかわいいよね?

森嶋 でも、今までの比じゃないぐらい跳ねていて。

林 だから私、初めて振付の先生がぱーって踊ってくださったときに「……無理だな」って思った(笑)。「キラッとスタート」のとき、最初にいただいた映像を観て「できない……」って絶望してたときのような……。

厚木 そうなの! 「キラスタ」のときとまったく同じ感情になった!(笑)。

林 でも、すごくかわいいんです! 手を頭の上に持ってきて、自分でティアラをかぶるようなイメージの振付があったりしますし。

森嶋 そういうふうにダンスにもすごくかわいいところが散りばめられている曲なので、ぜひ観てほしいです!

後編へ続く

「Share the light」情報
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