『コナミワイワイワールド』の思い出。 「クソゲー」あふれた時代の高度なゲーム設計

引用元:マグミクス
『コナミワイワイワールド』の思い出。 「クソゲー」あふれた時代の高度なゲーム設計

 1988年1月14日にコナミから発売されたファミコン用アクションゲーム『コナミワイワイワールド』は、主人公とその色違いの2キャラクターを選択するのが主流だったファミコンの世界に、多数のキャラクターを選んで使えるという新しい世界をもたらしました。小学生の頃の夏休みには1日2回クリアするのを日課にしていたライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。

【画像】『コナミワイワイワールド』に登場した、懐かしいゲームたち(5枚)

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 筆者がまだ小学生だったころの「KONAMI」は、『グラディウス』や『ツインビー』といったシューティングゲームや、『グーニーズ』『がんばれゴエモン!からくり道中』、『悪魔城ドラキュラ』など、ファミコンとしてはかなりハイレベルなグラフィックや印象に残るサウンドを武器とした、大きな存在感を持つゲームメーカーでした。

 当然、筆者もさまざまなゲームを買ったり借りたりしてやり込んでいましたが、数多い「KONAMI」のタイトルの中でも最も印象深いのが『コナミワイワイワールド』でした。この作品は「KONAMI」が過去に発売した作品の主人公や敵キャラ、隠しキャラとして扱われていたコナミマンと本作オリジナルとなるコナミレディを加え、総勢8人のキャラクターを自由に使い分け戦うことができる、画期的な作品でした。

 最初はコナミマンとコナミレディのふたりしか味方がおらず、各マップに囚われている味方のキャラクターを救出するところから始まります。味方はそれぞれ攻撃範囲や威力が異なるため、チームの弱点を補う形で順々に救出を行うと戦いが楽になる戦略性も、小学生にとってはとても魅力的な要素でした。
 
 たいていの場合、筆者は真っ先に上方への攻撃能力を持つゴエモンや小柄で狭いところを通れる『グーニーズ』のマイキーを救出に向かっていました。コナミマンとコナミレディは道中でアイテムを回収すると空を飛べたり飛び道具を使ったりできるようになるので、それらが必要なマップが最後の方になるのはお約束でした。 最後に救出するのは『グラディウス』から参戦していたモアイか『キングコング2』のキングコングだった記憶があります。

 軽快なBGMに乗りながら、さまざまな難関を乗り越え全ての味方を救出すると、今度はシューティングパートに移行します。そう、1本で8人のキャラクターが登場するアクションゲームだけではなく、さらに『ツインビー』の自機ツインビーや『グラディウス』の自機ビックバイパーが登場するシューティングゲームまで遊べるのも、『コナミワイワイワールド』の大きな魅力でした。

 なお、『コナミワイワイワールド』ではビックバイパーがビッグバイパーと記載されていますが、これは誤植だそうです。つい5分ほど前に知りました。ずっとビッグバイパーだと思っていました……。