NHK紅白、木下優樹菜離婚、浜崎あゆみ出産…年末年始の芸能ニュースを総括

NHK紅白、木下優樹菜離婚、浜崎あゆみ出産…年末年始の芸能ニュースを総括

【芸能界クロスロード】

 年末年始は芸能界も恒例行事が並ぶ。元日は、お馴染みになったスポーツ紙による“結婚・交際”のスクープ合戦。正月らしいおめでたい話が揃うなか、FUJIWARAの藤本敏史と、木下優樹菜が、大晦日に離婚を発表した。

 木下が恫喝騒動でタレント休業。藤本のイメージも下落していただけに、離婚もあり得ない話ではなかったが、メディアが正月休みに入った間隙を縫う絶好のタイミング。すぐさま続報ができず、騒ぎを最小に抑える狙いだったのだろう。

 驚きはさらに続く。元日の夜に浜崎あゆみが会員制サイトに昨年末に男児を出産していたことを報告した。相手は年下の一般男性で入籍はせず、「未婚の母」になった。年末年始に浜崎自身が結婚から病気まで自ら発信するのは恒例行事とはいえ、年明け最大のサプライズとなった。今後は、「本当に妊娠を隠しながらコンサートをしていたの」といった謎も含め相手の素性などを巡る取材合戦が展開されるだろうが、当人が言わない限り「推測」にすぎない。

 かつて、未婚の母になった女優はいるが、いまだに父親の名前を明かした人はいない。本来、スキャンダルは隠したがるものだが、自ら明かすのは浜崎の真骨頂。右往左往するだけのメディアは浜崎の手のひらで踊らされているようなものかもしれない。

 テレビ界に目を向ければ、古き良き昭和の伝統を継承するおせち番組が揃う。

■大健闘は芸能人格付け、年忘れにっぽんの歌

 バラエティー番組では芸人らが金太郎飴のように番組ジャック。いささかお笑いも飽和状態になっていた中、大健闘している異色番組が「芸能人格付けチェック!」(テレビ朝日系)。今や昭和のおせち番組だったフジテレビ系の「新春かくし芸大会」に代わる存在。正解答連勝記録の続くGACKT効果で安定した人気を誇り、正月恒例人気番組として格付けされている。

 恒例の締めは「腐っても鯛」の大晦日のNHK紅白。毎回、最大関心事の視聴率はノルマといわれる40%を割り平均視聴率は37・3%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と低調な結果だった。米津玄師・スピッツの生歌披露という最大の目玉を失い、代わって竹内まりや、ビートたけしを特別枠で起用。さらに、歌手だけでは不安と、審査員に上沼恵美子、ゴルフの渋野日向子、サンドウィッチマンら数字を取る人を並べ、客席にはラグビー日本代表の面々を揃えたが、紅白のメインは歌合戦。審査員の出番は少なく、「もっと渋野の笑顔と話が聞きたかった」という人には物足りず。人気者の頭数だけ揃えた感は否めない。

 肝心の歌手は、今年も演歌が減少。ジャニーズを中心とした若手中心の音楽番組。「聴かせるよりも、見せる紅白」という傾向が強く、従来の歌合戦からはほど遠くなっている。

「歌手も歌も知らないし、ついていけない」という中高年はテレビ東京系の「年忘れにっぽんの歌」に年々流れていくように、今年も平均8・1%と裏番組としては日本テレビ系の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」に次ぐ2位と健闘した。

「大晦日は一家だんらんで紅白」だった時代は終わり、年末の恒例番組から外れる日が意外と早く来るかもしれない。

(二田一比古/ジャーナリスト)