木下優樹菜様は「猟奇的な彼女」で不快な思いを感じて欲しい

木下優樹菜様は「猟奇的な彼女」で不快な思いを感じて欲しい

【コトブキツカサの映画処方箋】

 映画パーソナリティー&映画心理カウンセラーのコトブキツカサが“今、旬な”人々に映画を処方して、より良い日々を送っていただこうという勝手なコラム。

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「筋道くらいとおしなよ」「これからの出方次第で事務所総出でやりますね」と姉が働いていたタピオカ店のオーナーに送ったヤクザの脅し文句風なDMが拡散され、活動休止となった木下優樹菜氏。おバカ、元ヤンキャラながら家庭的というギャップ、ママになっても美しいということで女性人気を集めたインスタグラムのフォロワー530万人を失望させてしまいました。

 そんなユッキーナに今回処方したい作品は、韓国映画「猟奇的な彼女」です。大学生のキョヌ(主人公)が好きになった“彼女”はとても美しく魅力的なルックスですが、町でマナー違反をしている若者や不正行為をしている人物には汚い言葉で罵り、ケンカも辞さない性格のキツい女性。

 そんな彼女にキョヌは振り回されまくり、ボコられまくりなのですが、物語が進むにつれ、なぜ彼女がそんなキツい性格になっていったのかという理由が明らかになっていきます。人は多かれ少なかれトラウマを抱えながら、その壁を乗り越えて成長していくという過程をこの作品は描いているのです。

「ぶっ殺されたい?」が口癖の彼女は、とにかく口が悪く、あらゆる人たちと衝突。酒を飲みながら彼女は周りの客などお構いなしで激しくキョヌを罵倒します。そこにいくら正義があったとしても、言い方や伝え方次第では暴力となり、言われた当事者、第三者からすれば不快感しか残りません。ユッキーナも姉を守るという正義だけに目が行き、SNSのマイナスの影響力に想像が及ばなかったのかもしれません。客観的に“彼女”の行動や言動を見ることで、自らの発言がどのように相手にダメージを与え、不快な思いをさせるかを感じて欲しいと思います。

 物語の終盤、自らの発言や行動を悔いる“彼女”が可愛く見えてきます。素直な気持ちを伝えたいという“彼女”の強い思いが、ゆっくりと視聴者に浸透していくのです。

 フジモンとは離婚してしまいましたが、本作を見てユッキーナも相手をおもんぱかる気持ちが芽生えてくれたらと願います。

(コトブキツカサ/映画パーソナリティー)