『シン・ウルトラマン』と『エヴァ』まるごと楽しむ基礎知識。三部作はどこに向かう?

引用元:マグミクス
『シン・ウルトラマン』と『エヴァ』まるごと楽しむ基礎知識。三部作はどこに向かう?

 ウルトラマンといえば、1966年に『ウルトラマン 空想特撮シリーズ』(TBS系)が放映されて以来、日本が誇るスーパーヒーローとして絶大な人気があります。2021年には庵野秀明(企画・脚本)&樋口真嗣(監督)コンビによる『シン・ウルトラマン』の劇場公開が予定されています。『シン・ゴジラ』(2016年)を大ヒットさせたコンビだけに、とても楽しみです。

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 2019年12月14日には、『シン・ウルトラマン』に登場するウルトラマンのビジュアルが初めて公開され、注目を集めました。メタリックシルバーと赤のカラーリングは従来のイメージどおりですが、かなりのスレンダー体型です。しかも、ウルトラマンの胸についていたカラータイマーがありません。

 初代ウルトラマンをデザインした美術担当の成田亨氏は、もともとはカラータイマーのないウルトラマンをイメージしていたそうです。ドラマを盛り上げるためのギミックとして、制作段階になってからカラータイマーは後付けされたのでした。成田氏はカラータイマーを嫌っていたといわれています。

『シン・ウルトラマン』に登場するウルトラマンは、成田氏が1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」をコンセプトにした、とてもシンプルな造形となっています。カラータイマーのほかにも、眼の部分の覗き穴、スーツ着脱用ファスナーに伴う背びれもついていません。『シン・ゴジラ』のゴジラと同様に、これまでの着ぐるみではない、CG表現による新しいウルトラマンとして動く姿を見せることになりそうです。

半世紀におよぶ、ウルトラマンの謎

 カラータイマー、眼の覗き穴、背中のファスナーが消えたことで、ファンの脳裏によぎるのは、あの問題です。そうです、「ウルトラマンのシルバー&レッドの外見はスーツを着た姿なのか、それとも素肌なのか」という問題です。世に言う「ウルトラマン着衣問題」です。もしスーツなら、中には別の姿の宇宙人が入っているのか。素肌ならば、ウルトラマンはいつも素っ裸で怪獣や凶悪宇宙人たちと戦っていたのか。そんな素朴な疑問がファンの間にはありました。

 この「ウルトラマン着衣問題」には、まだ明快な答えは出されていません。2010年に発行された『空想科学読本9』(メディアファクトリー)の「ウルトラマンは裸か?」の項で、著者の柳田理科雄氏は「ウルトラの人たちは、体の赤い部分が服で、銀色の部分が地肌なのではないか?」という自説を述べています。

 それによると、ウルトラマンの腰の赤い部分はパンツということになるようです。パンツ一丁に近い裸で、宇宙を守っているそうです。ですが、これは柳田氏の推測であり、正解とは言い難いものです。