「LUNA SEA」の30年 再始動で「緊張感」から「優しさ」に RYUICHIとSUGIZOに聞く

引用元:withnews
「LUNA SEA」の30年 再始動で「緊張感」から「優しさ」に RYUICHIとSUGIZOに聞く

昨年、結成30周年を迎えたロックバンド、LUNA SEA。途中、約10年に及ぶ活動休止期間もありましたが、「若いときは反発したけど、僕らも大人になったので」と、ギターのSUGIZOさん。2000年の「終幕」宣言について、ボーカルのRYUICHIさんは「確実に必然」と言い切りました。2010年の再始動以降、勢いを増しながら走り続ける5人。一度失いかけた絆を取り戻し、より強固なものに変えたきっかけは何だったのでしょうか。RYUICHIさんとSUGIZOさんに聞きました。(朝日新聞文化くらし報道部記者・坂本真子)

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初めての共同作業

LUNA SEAは昨年12月18日に2年ぶり、オリジナルとしては10作目の新アルバム「CROSS」を発売。今年2月から全国ツアーを始めます。

新作は1曲目のイントロから、音の空間が果てしなく深く広がっていくように聞こえて、引き込まれます。

彼らはこれまで全作品を自分たちだけで制作してきましたが、今回初めてスティーブ・リリーホワイト氏を共同プロデュースとミキシングエンジニアに迎えました。初期のU2などニューウェーブ系のバンドや、ザ・ローリング・ストーンズらの作品で知られる世界的な音楽プロデューサーです。ギターのINORANさんが数年前に人を介してスティーブ氏と知り合ったことから実現に至りました。

初めて会ったとき、スティーブ氏から「自分たちのスタイルを持っていないアーティストとは仕事をしたくない。完成されたアーティストじゃないと僕にとって魅力がない」と言われたそうです。5人は日本で録音し、海外にいるスティーブ氏にデータを送る、という形で作業を進めました。

「スティーブは何も言わなかったので、僕らは僕らのままでいられたんです。僕らのレベルをさらに上げてくれて、理想的な関係だったんじゃないかな。データを送ると、魔法がかかって帰ってくるんですよ。全てがすごくみずみずしくなって、RYUの声は10歳若返った。スティーブは全てをきっちり聴かそうとは思っていないはずで、必要なものはバーンと出したり、バサーッと切ったりする、そのダイナミクスさが違った」とSUGIZOさん。

スティーブ氏との共同作業で世界基準を知りたかったというRYUICHIさんは「見ているもの、感じているもが違う、切り取っている場所が違うという印象。料理人の塩加減、砂糖加減の違いに近いかもしれない」と分析しました。