渡辺明王将 名人戦A級順位戦で全勝キープ 王将戦7番勝負へ勢い加速

渡辺明王将 名人戦A級順位戦で全勝キープ 王将戦7番勝負へ勢い加速

 12日開幕の第69期大阪王将杯王将戦7番勝負(スポニチ主催)に臨む渡辺明王将(35)が4日、大阪市福島区の関西将棋会館で名人戦A級順位戦の稲葉陽八段(31)との対局に臨み、94手で勝利した。後手番の渡辺が相居飛車の戦いを中盤から先行し、そのまま押し切った。

 4月開幕の豊島将之名人・竜王(29)への挑戦権をかけた戦いは、渡辺が7回戦を終え全勝で単独トップ。2月末まで計9回戦の戦いは4勝2敗で王将戦の挑戦者でもある広瀬章人八段(32)、三浦弘行九段(45)の2人が追う展開になった。

 「年末との連戦だったが最高の結果になった」。渡辺は昨年12月25日、王将戦挑戦者に決まっている広瀬章人八段(32)との順位戦連勝に笑顔。この日勝ってプレーオフ以上も確定させ、王将戦7番勝負への景気づけにもした。

 タイトル通算23期の渡辺が名人戦に出場すれば意外にも初めて。「今節の結果を確認して8回戦に向かいたい。正月という感じがしないのは仕方ない」。同じ7回戦で広瀬、三浦が敗れると名人戦初挑戦が早くも決まる。王将、棋王のダブル防衛戦の冬を気分よく迎えることができる。