立川志の春、自身の新作落語がまさかの舞台化 1月7日から明治座公演「三山ひろし特別公演」

引用元:夕刊フジ

 2020年1月7日に初日を迎える東京・明治座公演「三山ひろし特別公演」(同23日まで)。NHK紅白歌合戦にも出演する三山が同座で初の座長公演を務める。その第一部「阪田三吉物語」に関係しているのが落語家の立川志の春(43)だ。

 NHK「ガッテン!」の司会を務める落語家、立川志の輔(65)の三番弟子だが、「以前は名乗ると『あのガッテン!』の人のところねと返されたんですが、最近は『あのワイドショーのメガネの人のところね』といわれることも」。

 メガネの人とは、今秋から帯番組のMCを務める落語家の立川志らく(56)。テレビの影響力たるやこんなところにまで。ともかく逸材ぞろいの立川流一門だが、今回は志の春の才が明治座で発掘される。「阪田三吉物語」の原案が、志の春の新作落語なのだ。

 「落語以外、ひとりコントや長唄ミュージカルにも挑む会『志の春サーカス』を昨年6月に立ち上げましたが、第1回でやった新作落語が『阪田三吉物語』でした」

 棋士の坂田三吉の破天荒な生涯を約1時間40分の新作落語にしたところ、明治座幹部の目に留まり、半年後には舞台化というまさに夢物語。

 「三山さんの阪田三吉は本当にチャーミング。共演の間寛平さんやほんこんさんといった出演者からは学ぶことばかり。ここで得た心理描写や会話を落語にフィードバックしたいですね」

 そう興奮気味に話す自身も出演。明治座の舞台も初ならば、芝居に立つのも初めての経験だ。

 「言ってみれば、ストーリーテラーの役ですね。着物姿ですが落語と違って立って登場する場面もあります。落語家は高座に出るのに化粧はしませんが、舞台ではちゃんとメークをするので、すべてが新鮮ですね」

 師匠の志の輔に自身の新作落語が採用されたこと、明治座に出演することを伝えたら「明治座! すごいな」と驚かれたという。

 三井物産マンというエリート生活を捨て、志の輔門下に入門したのが2002年10月。17年が過ぎた。同期入門は全員真打ちに昇進し「僕だけです」と笑うが、落語の実力は演芸評論家やファンにも高評価で、昇進もそう遠いことではない。

 「来年は春から縁起がいいですから、その勢いでぐんと行きたいですね」。明治座の舞台、17日間25公演にまずは全力投球だ。