【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー

引用元:ELLE ONLINE
【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー

絶世の美女。現代のシンデレラ。事故死した悲劇のヒロイン。美しき良妻賢母も実は毒母に育てられ、毒母になったひとり。母としての素顔は、娘たちをコンプレックスで押しつぶした承認欲求モンスターだった。

【動画】「毒になる母」のパターンを学ぶ神映画7 【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー photo : Getty Images

一緒に暮らしていても疎遠な母

2018年グレース・ケリーの娘で、ヨーロッパにおけるファッションアイコンとして現在でも活躍するキャロリーヌ妃は、セレブリティの広報誌『ピープル』でこう語っている。

「私と弟(アルベール大公)は両親とそれほど仲が良かったとは言えないわ。乳母とのほうがよっぽど親しかった。彼女がバカンスに入るときなんか、ふたりして『行かないで!』と泣き叫び、懇願したほどよ」。 【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー photo : Getty Images

「14歳まで一緒に食事をしたことがなかった」

「私たちは14歳まで両親と一緒に食事したことすらなかった」とされる通り、常に子供たちは世紀の美男美女カップルの陰にいる存在で、親は親ではなかった。舞踏会でも、両親が子どもを伴うのではなく、両親がセレブリティたちの中心で憧れの視線を集める円の外で、ドレスを新調されるでもなく、母親のおさがりのドレスを着て姉弟と乳母だけで隠れるように踊っていただけだった。 【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー photo : Getty Images

母の光におびえる娘たち

娘が世間的に目立つことを極端に嫌った母は、たとえ娘が主役になる舞踏会デビューの場ですら、母は隣の娘を思いやるわけでもなく、光り輝く美貌で視線を集め、横で恥じらうしかない思春期の娘は、その顔をずっと下に向けるがままにさせられたことは、周囲のカメラマンからも証言されている。圧倒的な美貌と華々しいスタイルで、子どもたちの注目を奪い自分が主役になることをためらわなかった。

今ではもっとも美しいロイヤル・メンバーとして数えられるキャロリーヌ妃も、思春期に激しく母に反抗した妹ステファニーも、その後の結婚スキャンダルが物語るように自己肯定感が低く育った。 【世界の毒母シリーズ】いつまでも主役のママ、グレース・ケリー photo : Getty Images

娘とのドライブで事故死

グレース王妃が1982年9月13日に運転する自動車事故で亡くなったとき、命からがら助かったステファニー妃(写真左)に関してはひどいもので「実は運転していたのは彼女」「直前まで喧嘩をしていたのに一緒に出掛けたのはおかしい」と今でも噂する人が多い。「お前が運転していた、お前の過ちだ、お前が母親を殺したと言われ、私はとてつもないプレッシャーを抱えていた」とようやく口を開いたのが1989年になってから。死してなお母親に対する多くの人の信仰心は娘を苦しめた。