「スター・ウォーズ」って何が面白いの? 初心者向けガイド

引用元:オリコン
「スター・ウォーズ」って何が面白いの? 初心者向けガイド

 昨年12月20日に公開され、世界中で大ヒットしている映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(公開中)。1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(ジョージ・ルーカス監督)から42年かけて全9作が出そろい、スカイウォーカー家の物語が完結した。結局、『スター・ウォーズ』とはなんだったのか。

【動画】「スター・ウォーズ」の歴史がつまった特別映像

 全9作に出演した唯一のキャスト、C-3PO役のアンソニー・ダニエルズは、12月16日(現地時間)のワールドプレミア会場でこう語っていた。

 「ジョージ・ルーカスの行ったすばらしいことのひとつは、この『スター・ウォーズ』をみんなの“砂場”のようなものにしたこと。人々もそれを受け入れて、三世代にもわたって、この“砂場”で遊び、物語を作り、衣装を作り出し、ダークサイドだろうがライトサイドだろうが喜びを共有してきたことです。映画には、みんなのための何かが、誰かがいつもそこにあるのです」。

 「砂場」とは言い得て妙。実際、コスプレやプロモデルづくり、物語を突き詰めて考えるなど、好きな遊びを見つけて、面白さや楽しさを他者と共有し合うことができる場所が「スター・ウォーズ」。物語が完結しても、ファンがこの“砂場”遊びをやめることはないだろう。

 とはいえ、「スター・ウォーズって何が面白いの?」と思っている人もいるに違いない。今回は「スター・ウォーズ」にあまり興味がない人向けに最新作の楽しみ方を紹介する。

■ほぼ予備知識なしで楽しめる

 「フォース」や「ジェダイ」「ライトサイド/ダークサイド」など、いろいろな設定はあるが、映画を観るにあたってほぼ予備知識なしでも楽しめる、というのが世界中で愛される理由の一つだ。それは、1作目『新たなる希望』から一貫していることで、そのために有名な「遠い昔、遥か彼方の銀河系で…」で始まる黄色い文字のオープニングロールがある。

 『新たなる希望』でいえば、いきなり「時は内乱のさなか。凶悪な銀河帝国の支配に反乱軍の秘密基地から奇襲を仕掛け帝国に対し初めて勝利を収めた。更にその戦闘の合間に反乱軍のスパイは帝国軍の究極兵器の設計図を盗み出すことに成功。(以下略)」と、始まる。

 なんのこっちゃ、と思うだろう。実際、全米公開前、関係者からの反応は散々で、ジョージ・ルーカスはすっかり自信を失い、プレミア上映にも出席せず、全米公開初日にはハワイの別荘にこもっていたという逸話もあるほどだ。しかし、フタを開けてみたら、かつてないほどの熱狂と大ヒット。全米でたった32館での上映から3ヶ月後には900館にまで拡大された。当初は、続編の製作については未定だったが、後にルーカスが全9作の構想を明らかに。そして、新作を公開するたびに、新しいファンを獲得し続け、二世代、三世代で楽しめるシリーズとなって現在に至る。

 『スカイウォーカーの夜明け』もオープニングロールの説明だけで十分、物語に入ることができる。J.J.エイブラムス監督も、インタビューで「これは独立した作品でなければならない。これを観に行く人が、前の映画をまた見直しておく必要はない。続編は、往々にして、観客がすでにキャラクターに大きな思い入れを持っていると決めつけて作られるが、僕らはそうは作っていない。これは、独立した1本の映画として完成させなければならない。同時に、9本の完結編でもある。なかなか難しいことではあった」と、語っていた。その「難しいこと」をやってのけた、という自信に満ちた表情で。