アマゾン放火に“加担”…レオ様、「ブラジルのトランプ」口撃に反論

 南米・アマゾン地域の大規模森林火災をめぐって、ブラジルのボルソナロ大統領(64)が米人気俳優、レオナルド・ディカプリオ(45)を「火を放つために(環境保護団体に)金を出している」と非難し、ディカプリオは11月30日(日本時間1日)、これに反論した。ブラジル警察当局が放火容疑で強制捜査に乗り出した環境保護団体に寄付はしていないとした上で、今後も環境保護活動を支援すると強調した。

 「ブラジルのトランプ」の口撃に、レオ様が猛然と反撃した。

 両者のバトルのきっかけは、11月26日(同27日)、ブラジル警察当局が寄付金目当てでアマゾン地域の森林に放火したとしてボランティア消防団員4人を逮捕。この団体や、つながりがある非政府組織(NGO)「PSA」の事務所などを家宅捜索したこと。PSAは容疑を認めていない。

 この事件を念頭に、ボルソナロ大統領が同28日(同29日)、ツイッターで根拠を示さずPSA関係者が火をつけたと主張。さらにディカプリオが同団体に30万ドル(約3300万円)寄付したと発言した。

 同29日(同30日)には、フェイスブック・ライブと首都ブラジリアでの政治集会で「ディカプリオはいいやつだよな。アマゾンに火を放つために金を出している」と言い放った。

 ディカプリオは環境活動家としても知られており、環境保護団体「アース・アライアンス」の設立に関わった。この団体はアマゾン火災に対して8月、緊急支援として約500万ドル(約5億5000万円)の寄付を表明している。また、1998年に環境保護団体「レオナルド・ディカプリオ財団」を設立。野生のトラの保護活動などを手掛けている。

 今回のボルソナロ氏の発言に対し、ディカプリオは反撃。インスタグラムで同氏の名指しは避けながらも「かけがえのない生態系の未来が危機にひんしている。彼らへの支持を誇りに思う」とした上で、PSAに対しては寄付はしていないと強調し、批判を一蹴した。

 ボルソナロ氏は会員制交流サイト(SNS)を使った過激発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる。アマゾン地域の開発に意欲を示し、熱帯雨林保護に後ろ向き。火災の対応も不十分と批判され、8月にフランスで行われたG7サミットで同国のマクロン大統領(41)が消火支援を呼び掛けた。ボルソナロ氏は「植民地主義的」などと反発し拒否している。