藤巻亮太、台風被害のあった長野県を取材。「水害」を考える

引用元:J-WAVE NEWS
藤巻亮太、台風被害のあった長野県を取材。「水害」を考える

J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組『J-WAVE SELECTION』。毎月第3日曜は、震災復興プログラム『Hitachi Systems HEART TO HEART』(ナビゲーター:藤巻亮太)をお届けしている。

12月15日(日)のオンエアでは、NPO法人環境防災総合政策研究機構環境・防災研究所副所長で東京大学大学院客員教授の松尾一郎さんを迎え、災害が多発する昨今、我々の想定を超える災害に、どう対策をすればよいのか。想定外を減らすヒントを探した。

防災行動学とは?

松尾さんが研究する、防災行動学とはどんなものか。

松尾:災害から命を守るために、特に水害の場合には行政や市町村、地域のコミュニティ、家族、あるいは私たち国民一人ひとりが置かれている状況下で正しい防災行動を行えるかどうか。「どう行動したらよいのか」、その行動のあり方、そしてその行動を支援するツールなどを研究しています。

氾濫被害のあった長野の農園を取材

藤巻は今回、今年の10月に台風19号で千曲川が氾濫し多くの被害の出た長野県長野市を取材。長野市赤沼でリンゴの生産と直売所「中村農園」を営む中村太士さんに話を訊いた。

台風19号に伴う記録的豪雨で長野市内を通る千曲川の堤防が決壊。浸水被害を受けたエリアは「アップルライン」の愛称で親しまれている全国有数のリンゴの名産地だった。中村さんの店舗や倉庫が浸水。風でリンゴが落ちることを恐れて早めに収穫したリンゴ1万個も流される大きな被害を受けた。

壊滅的な被害から早く立ち上がり前を向く中村さん。非難や対策について「楽観的すぎた」と話す。

中村:台風当日、ここは千曲川から1キロメートル以上は離れているので(大丈夫だと楽観視していました)。
藤巻:地域のハザードマップで、このエリアも浸水の危険性があることはご存知でしたか?
中村:もちろん知っていました。ただ、実際にこうなるとは思っていませんでした。そもそも、千曲川の堤防が決壊することは誰も予想をしていませんでした。
藤巻:幼い頃から災害に関するアドバイスなどありましたか。
中村:私の祖父は「昔、ここは5メートル以上も浸水があった」と話を聞かされていました。でも、それはおとぎ話だと思っていました。

中村さんは台風当日、作業部屋の2階に非難すれば増水しても大丈夫だという思いがあったが、その翌朝に自宅が大きな浸水被害を受けている様子を見て「あのときに逃げなかったら自分は大変なことになっていた」と振り返ったという。