他局は戦意喪失…日テレ「箱根駅伝」ひとり勝ちでテレビ離れ加速?

他局は戦意喪失…日テレ「箱根駅伝」ひとり勝ちでテレビ離れ加速?

「歴代最高視聴率!」

 約1年前、2019年1月4日の新聞各紙を賑わせたのは、正月2日と3日に日本テレビで放送された「箱根駅伝」だった。

「テレビ離れが進む中でも、箱根駅伝は視聴率が毎年20%台後半という超優良コンテンツです。“平成最後”は2日間とも30%超え。“令和最初”も、駅伝の内容以上に視聴率が取り沙汰されるでしょう」(テレビ誌ライター)

 ネット上には〈テレビを見る人みんなが駅伝好きなわけではない〉〈いつ見ても大して画面が変わらない〉なんて声もあるが、それでも数字にはっきり表れる“箱根ひとり勝ち”だ。

 では、他局はどう対処しているのかといえば、“箱根ウラ”の時間帯はどこも再放送が目立つ。これはあからさまな戦意喪失なのか?

 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「そう言えなくもないですが……」と、こう続ける。

「特に20年の箱根は台風19号による被害もあって、例年以上に話題になりやすい。他局はこの“モンスターコンテンツ”にまともに対抗するより、“費用対効果”重視になるのは仕方がないでしょう」

 TBSは18年の連ドラでナンバーワン視聴率だった「99.9 ―刑事専門弁護士」、話題になった「義母と娘のブルース」、今年のラグビーW杯前に放送された「ノーサイドゲーム」の一挙放送。

 テレビ朝日は「ポツンと一軒家」「相棒」などと、新たに番組を作るよりもコスパよく“箱根を見ない人”を引きつけようとする作戦が見て取れる。

 フジテレビは3日の“復路”クライマックスのウラに、活動休止となる嵐が総出演のドラマ「最後の約束」を再放送。

 この状況に、前出の亀井徳明氏はこう危惧する。

「コスト的に難しいのかもしれませんが、1局くらいは、ジャンルは違っても生放送の番組を編成してほしかった。予定調和ではない“生”ならではの緊張感は、直接数字には結びつかなくてもニーズはあるはず。それに箱根のひとり勝ち状況が続くと、結果的にますますテレビ離れが深刻化すると思います」

 確かに、戦意喪失の番組を見せられる視聴者は、たまったものじゃない。

 果たして正月休み明け、どんな数字が新聞各紙を飾るのか。そしてさらに1年後、他局は“箱根ウラ”にどんな番組を編成してくるのだろうか。そんなこと言うと、鬼が大笑いする?