巨人・阿部慎之助2軍監督もあこがれる高嶋ちさ子はやっぱりスゴイ

引用元:スポーツ報知
巨人・阿部慎之助2軍監督もあこがれる高嶋ちさ子はやっぱりスゴイ

 異色の組み合わせに驚いた。今月19日のこと。都内である表彰式に出席した巨人・阿部慎之助2軍監督は、その後の取材で報道陣に意外な人物へのリスペクトを口にし、前日スマホにメモッた名言を音読してみせたという。

 「緊張感のないものを見ても、お客さんは喜ばない」「メンバーが個性を生かし、お客さんを喜ばせることがすべて」。上に立つものとしての矜持(きょうじ)をたたえた言葉の数々は、バイオリニスト・高嶋ちさ子のものである。

 その日、なにげなく会社に戻ると、野球担当から「阿部2軍監督が、高嶋さんの金言にものすごく感動しているらしい」と突然告げられた。なんでも、その前日の18日に放送された日本テレビ系「1周回って知らない話&今夜くらべてみました 強い女が集結3時間SP」をたまたま自宅のテレビで見ていたところ、高嶋が女性バイオリニストたちのによるユニットを指導するVTRにくぎ付けになったのだという。「そんなわけで、高嶋さんのコメントって取れたりしないかな…?」と依頼されたが、記者は高嶋と直接の面識はない。雲をつかむような話に「どうしよう」と頭を抱えた。

 ひとまず、前日の番組スタッフに接触し、経緯を説明。おそるおそる「コメントなど、いただけるものなのでしょうか…?」とお願いしてみた。ずいぶん無礼な話であるが、「ちょっと聞いてみます」と言ってくれた番組関係者の好意に甘えると、まさかの展開が待っていた。

 「口から出まかせで生きている私の発言を真面目に聞いている人がいるんだなぁ、しかも、それがジャイアンツの2軍監督の阿部慎之助さんとはびっくり、というか恐縮です。これから、もっと責任を持って発言しなきゃと思ってます。(中略)私の方こそ、色々学ばせて頂きたいので、いつか阿部さんにお会いできればと思います」

 なんと高嶋本人からコメントが舞い戻ってきたのだ。お願いしてから1時間足らずである。かなりの長文で、血の通ったコメントをあのスピードで戻してくれたことに心底驚いた。通常、タレント本人にコメント(しかも、本業とは全く関係ない)を依頼する場合は、少なくともちゃんと企画書等で企画意図を説明し、返答までにも十分な時間を準備してお願いするものである。こちらの思いを酌んでくれたスタッフに感謝するとともに、「超せっかち」を公言する高嶋らしい行動がうれしかった。

 若干強引に? 本紙がつなげてしまった阿部2軍監督と高嶋の縁。若手の育成法を模索するルーキー監督と、売れっ子バイオリニストが本当に会えて、自身の美学を語りあえる日が来たら最高だと思う。来年のキャンプなどでそんな機会は実現するか? もしその日が来たらぜひ、取材させてください。(記者コラム) 報知新聞社