弘中綾香が1位「好きな女性アナ」の順位が媒体で異なる理由

弘中綾香が1位「好きな女性アナ」の順位が媒体で異なる理由

 12月6日、ORICON NEWSが『好きな女性アナウンサーランキング』を発表し、テレビ朝日の弘中綾香(28)が昨年の2位から初の1位に輝いた。

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 弘中は同じ企画が掲載された『文春オンライン』(7月5日配信)、『週刊ポスト』(10月7日発売)では、ともに7位タイ。この例に限らず、同じ年の調査なのに、媒体によって順位はずいぶんと異なっている。

 3つともベストテン内にランクインしたのは弘中綾香、有働由美子(50)、大下容子(49)、加藤綾子(34)の4人のみ。オリコンで“殿堂入り”扱いの水卜麻美(32)を含めても、5人にしかならない。

 1媒体しか入らなかった女性アナを挙げてみよう。

■『オリコン二ユース』=2位・田中みな実(33)、5位・大江麻理子(41)、6位・三田友梨佳(32)、7位・徳島えりか(31)、8位・川田裕美(36)、9位・滝菜月(26)

■『文春オンライン』=5位・山﨑夕貴(32)、6位・久慈暁子(25)、7位タイ・宇垣美里(28)、9位タイ・林美沙希(29)

■『週刊ポスト』=4位・夏目三久(35)、5位・桑子真帆(32)、6位・井上あさひ(38)、10位・小川彩佳(34)

 なぜ、このようなバラツキが起こるのだろうか。

 大前提として、各媒体によって調査対象が異なることがある。

『文春オンライン』は記事の最初に〈2019年2月19日から4月12日までの約2カ月間、文春オンラインのメルマガ読者を対象に実施しました。回答者の年齢は、下は17歳から上は85歳まで。回答総数は3100超に上りました。男性が53%、女性が47%という構成でした〉と書いている。

『週刊ポスト』は本誌の読者アンケートで994人が回答、『好きな女子アナ』をそれぞれ3人まで記名。

『オリコンニュース』は11月15日から11月25日までに、自社アンケート・パネルであるオリコン・モニターリサーチ会員の10代、20代、30代、40代、50代の男女計1000人の回答を得た。

『週刊ポスト』には回答者の性別や世代が書かれていない。ただし、〈「この薬飲んだら倒れました」145薬の「重篤副作用」全症例〉(12月6日号)など最近の誌面傾向を見ると高齢者対象の雑誌であり、〈あかひげ薬局歴代イメージガール図鑑〉(同号)などからもわかるように、読者はほとんど男性である。つまり、994人の回答者は60代以上の男性が大半を占めるのではないか。

『文春』は男性53%、女性47%と男女比はほぼ半々だ。ただ、週刊誌は読者の高齢化が進んでいる。回答年齢の幅こそ〈下は17歳から上は85歳まで〉と広いものの、メルマガ読者とはいえ『文春』も若年層のパーセンテージはそれほど高くないと推測する。

『オリコンニュース』は比率こそ書いていないが、〈10代、20代、30代、40代、50代の男女〉と明記しており、裏を返せば60代以上の高齢者にはアンケートを取っていない。

■調査対象者の年齢、性別の違い

 これらの調査対象が、如実に影響を与えている。

 たとえば、朝や夜の帯番組でキャスターを務めている夏目三久、桑子真帆、井上あさひ、小川彩佳の4人は『ポスト』だけにベストテン入りした。逆に言えば、高齢の男性と朝や夜のニュース番組は親和性が高いのだろう。

 また、NHKアナは『文春』に1人、『ポスト』に3人(ともにベスト20内に4人)いるが、『オリコン』には0人。文春9位、ポスト9位タイの和久田麻由子もオリコンでは圏外だった。

 どうしてなのか。

『オリコン』のベストテンのうち8人がインスタグラムを開設。1位の弘中綾香には54万9000人、2位の田中みな実には150万人のフォロワーがいる。インスタをしていない5位の大江麻理子もツイッターで76万9000人(いずれも概算。12月25日現在)のフォロワーを持つ。

 一方、『ポスト』のベストテンを調べると、4人しかインスタグラムをしていない。

 つまり、SNSで発信していないNHKアナは、10代や20代がある程度、調査対象になるとランクインしづらくなるのではないか。別の見方をすれば、若年層は、テレビよりもインスタを通じてアナウンサーのファンになっている可能性すら考えられる。

■SNSの有効活用が影響を与える

 また、『文春』では10人中8人(弘中、宇垣美里以外)、『ポスト』では10人中9人(弘中以外)が帯番組を担当している。当然、毎日のようにテレビに顔を出すと有利になる。『オリコン』でも10人中7人と割合自体はさほど変わらない。しかし、帯番組のレギュラーを持っていない弘中綾香が1位、田中みな実が2位になった。

 実は、2004年から始まったオリコンの『好きな女性アナウンサーランキング』で帯番組のないアナウンサーの1位獲得は、今年の弘中が初めてになる。調査対象で10代や20代の割合が一定数を占めると、テレビ番組での露出だけでなく、SNSの有効活用が順位に影響を与える時代になったようだ。

(取材・文=岡野誠/ライター・芸能研究家)