八木亜希子アナ襲った「線維筋痛症」患者が語る壮絶な痛み

八木亜希子アナ襲った「線維筋痛症」患者が語る壮絶な痛み

 フリーアナウンサーの八木亜希子さん(54)を襲った「線維筋痛症」。原因不明の痛みが全身に生じる病気で、30代後半~40代前半の女性に発症することが多い。2017年には米国の人気歌手、レディー・ガガが闘病中であることを自らのツイッターで発表し注目が集まった。

 この病気、気圧、気温、光、音などのあらゆる外的刺激を痛みとして感じるため、患者によっては想像を絶する痛みに襲われることもあるようだ。NPO法人「線維筋痛症友の会」の橋本裕子さんは日刊ゲンダイ(本紙)2013年7月31日号でこう語っていた。

「16歳で突然、両足を爆弾で吹っ飛ばされたような激しい痛みがとどろいて以来、一度も痛みのない日はありません」

「目が覚めたら手足に力が入らず、全身の関節、筋肉に痛みが走り、3日間自宅で意識を失っていたことも」

 また、シンガーソングライターの如月まぁやさんも本紙(日刊ゲンダイ)2017年10月26日号でこう話していた。

「顔面以外、全部痛いです。形容しがたいですが、いつも血管にガラスの破片が流れているような感じです」

「酷い時は体の中からカチ割られるような痛みがあります」

 厄介なのは、診断がつかず治療に結びついていない患者がいまだに多いということ。国内の推定患者数は200万人だが、適切な治療を受けられているのは1割程度という指摘もある。線維筋痛症はレントゲンや採血、MRIなどでは異常が出ないため、「精神的な病気」とされてしまいがちだからだ。前出の如月さんは線維筋痛症という病名にたどり着くまで1年、橋本さんに至っては30年以上要している。

 12年には、日本で初めて鎮痛剤「リリカ」が線維筋痛症の治療薬として承認。患者の状態に応じて、抗うつ薬なども用いた対処療法が行われる。運動療法も効果的で、筋トレを1回45分週2回行ったところ1カ月目で線維筋痛症の痛みの強度が減少した、という研究発表も報告されている。