強引に我を通そうとする木下優樹菜に人々が抱いた嫌悪感【2019年下半期ネット炎上事件簿】

強引に我を通そうとする木下優樹菜に人々が抱いた嫌悪感【2019年下半期ネット炎上事件簿】

【2019年下半期ネット炎上事件簿】#2

 もともとは7月、姉がタピオカドリンクの店を開いたから「タピりにいって」と、SNSで呼びかけていたタレントの木下優樹菜(32)。しかし10月になり、その姉が店を辞め、同時に給与の振り込みトラブルがあると、再びSNSに書き込んだ。これを見たネットユーザーは店のSNSに殺到、当初はタピオカ店の方が大炎上の憂き目にあっていた。

 その翌日、店の関係者が別のSNSで木下とのトラブルの経緯を説明するとともに、木下本人が送ってきたメールの詳細を公開。「いい年こいたばばあ」「色々頭悪すぎな」といった文言はインパクトが大きかったが、何よりもネットユーザーの気を引いたのは、「出方次第でこっちも事務所総出でやりますね」「逆に週刊誌に姉がこういうめにあったって言えるからさ」という、権力をかさに着る物言いだった。

 まさに、特権的な上級国民による弱い者いじめの構図と受け取られたことで、一転して木下への苛烈なバッシングが始まる。SNSのフォロワー530万人を誇り、もとはおバカタレントだったものの、結婚後はしっかり者の良き妻、良き母となり、ママタレとしてだけでなく、おしどり夫婦タレントとして盤石の地位を固めたはずの木下が窮地に立たされることになる。

 炎上から2日後、木下は謝罪文を自身のSNSに投稿。しかし、会見をせずにネットへの書き込みだけで済まそうとするのかと、かえって火に油を注ぐことになってしまった。

 木下サイドの敗色が濃厚となったこの時点からは、勝ち馬に乗ってバッシングするためだけに炎上させ続ける手合いが参戦してくる。こうした手合いの目的は、炎上に便乗した単なる憂さ晴らしなので、飽きるまで離れず、あることないこと言いたい放題だ。結果、身勝手で権力をかさに着る悪辣な上級国民という負のイメージは、一層深められてしまった。

 炎上に加わったかどうかはさておき、実際に木下の炎上騒動について尋ねてみると、多くの人がモンスターペアレントやモンスターカスタマーと重ねて木下のことを見ていた。強引に我を通そうとする姿に、生理的な嫌悪感を抱いていたのだ。

(井上トシユキ/ITジャーナリスト)