22/7・花川芽衣、涙と笑顔のラストステージ「幸せでした」

引用元:MusicVoice
22/7・花川芽衣、涙と笑顔のラストステージ「幸せでした」

 年内をもってグループを卒業する花川芽衣が24日、Zepp DiverCity(TOKYO)で行われた、22/7の結成3周年を記念した『Birthday Event 2019』で最後のライブステージに立ち、ファンに直接、思いを届け、3年間務めてきた斎藤ニコル役を新加入の河瀬詩に引き継いだ。

 「憧れているのは元気なアイドルです」

 夢を見させてくれる存在と語ったアイドル、それも少し趣の変わった声優アイドルになり、そのアイドル像に近づけようと努力と葛藤を続けてきた彼女の大舞台でのラストステージは涙ながらも笑顔だった。

 この日のライブは挨拶のみの出演だった。しかし、最初から最後までステージに立った。しかも2月26日発売の5thシングル『ムズイ』で使用されるであろう新衣装を身に包んでいる彼女がいた。

 笑顔で臨む花川。メンバーも同様だった。しかし、なぜこの日はバラード曲「叫ぶしかない青春」は寂しく聞こえる。スクリーンに時折映し出される花川の表情は優しくもあり、寂しくもあった。

 「何もしてあげられない」で西條和は「私たちにとってとても大切な歌です」と声を詰まらせた。そして、一人センターに立つと「今日も心を込めて歌います」と伝え、歌い出した。同曲は11人で歌う初のシングル表題曲。こみ上げてくるものがあった。

 そして「ロマンスの積み木」。ソロパートで笑顔で歌う花川に、観客が「芽衣ちゃん!」とコールする。「韋駄天娘」でもとびきりの笑顔を見せ手を振る花川にファンはいつも以上に声を張り上げ「超絶かわいい、芽以ちゃん!」と届けた。

 記念すべき節目を涙で濡らすまいと終始笑顔に務めていた。そんな笑顔もアンコールでは崩れた。オーディションからこれまでの軌跡を追った映像に流され「2+2+7=11」とという掛け声がこだました。そして「11人が集まった理由」のイントロが流れる。しかし冒頭から泣き声がマイクに伝わる。

 倉岡水巴は「もうだめ」と涙を流し、西條は口元からマイクを離した。笑顔に努めようとするメンバーだが涙は止まらなかった。花川は目、鼻を赤らめ泣いていた。特別な曲でもある「11人が集まった理由」。過去に涙を流し歌ってきたこの曲だが、この日の涙は違っていた。

 歌い終えた花川は「沢山ご心配をおかけしてごめんなさい。私、花川芽衣は年内の活動をもって卒業します」と改めて報告。ファンの一人が大きな声で「ありがとう!」と叫んだ。

 そして花川は続ける。「大切な時期に卒業という形になったことにファンの皆さんをはじめ、メンバーの皆さん、22/7チーム、関係者の民さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪。

 「最後のリハーサルを見学していたけど、後ろから見ていると、卒業する実感がなくてフワフワした気持ち、必死に練習している姿を見て私も決意をしなきゃ、前を進まなきゃと思いました。卒業という形でみんなとお別れするのは寂しいけど、これからも大好きな仲間であることは変わりない。噛みしめていきたい」

 今度はファンから「頑張れ!」と声援が送られる。

 そして「ファンの皆さんとお会いできたこと、メンバーのみんなとオーディションのときから歩んできたこと、メンバーの一員でいたことが幸せでした。前を進むために、未来のために体調を優先に。沢山の応援本当にありがとうございました」と語り、左手で口をふさいだ。

 この日は3年間、演じてきた斎藤ニコルを新加入の河瀬詩に引き継ぐことを発表。河瀬はステージに登壇し「まだまだ未熟者でですが、これから頑張りますので、見守ってくれたら嬉しいです」と挨拶した。

 同じように涙で顔を濡らす天城サリーは「この3年間おつかれさまでした。私たちの宝物だし、卒業しても仲間。詩ちゃんともいっぱい思い出を作ろう」と呼びかけた。そして、メンバーがステージを去った後、花川は一人、隅々まで深々と頭を下げお別れの挨拶をした。

 声優、アイドルを夢見てオーディションを受けた。朗読女王決定戦で優勝。その後もラジオドラマにも出演するなど頭角を現した。ウサギをこよなく愛し、真面目で愛嬌ある人柄はファンだけでなく、関係者にも慕われ、大きな期待が寄せられていた。しかし体調不良もあって今年10月からは活動を一時休止。しかし、「回復の兆しは見えず、このまま続けることは難しい状態となった」として、医師の判断もあり、卒業を決断した。

 「憧れているのは元気なアイドルです」

 ステージ去り際、涙を濡らす花川は笑顔に努めていた。