「男は永遠に“中二病”…」2人のモデラー人生を変えた『架空艦』の魅力とは?

引用元:オリコン
「男は永遠に“中二病”…」2人のモデラー人生を変えた『架空艦』の魅力とは?

 こんな戦艦やあんな戦車があったら…そんな“男の浪漫”とも言うべき妄想の数々を、「架空艦」という形で具現化するモデラーたちがいる。今回紹介するのは、「架空艦は“自分の一部”」と明言する虎一(@Toraiti09)氏と、「架空艦で人生が変わった」と話す青眼鏡(@blue_mokei)氏。オリジナル艦艇を具現化する2人の原動力とは。

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■架空艦に出会えたからこそ“今の環境”がある(虎一)

 架空艦を制作するようになったキッカケを聞くと、「中学2年生の頃、いわゆる“厨二病”を発病しまして(笑)」と豪快に笑った虎一氏。その頃からよく架空世界の想像を小説に書いたり、絵に描いたりしていたのだそう。「当時、ネットブログで架空艦を主に制作、完成品をアップしている方がいて、想像上の存在でしかなかった艦を実体化する技術に衝撃を受けました」と振り返った。そこから架空艦にハマり、高校1年の時に、フジミ1/700「超大和型戦艦」を使用して架空艦を初めて制作したという。

 そんな原体験を経て架空艦の制作にのめり込んできた虎一氏。制作した中で一番の代表作は架空艦・重打撃戦闘艦『八島』とのこと。前述した高校1年生の時に初めて作った架空艦の船体を流用。何度も作り直しを繰り返して今の姿となり、「自分の架空艦人生の出発点となっている思い出深い作品」と感慨深げに語った。

 この作品には、 “中二病”時代のイメージと、今の“技術”が盛り込まれているようだ。

 「塗装を失敗して気を病んだこともありましたが、コイツをこのままにはしておけない!と奮い立ち、塗装のやり直しに留まらず、1度全て解体してもう一度作り直しました。この架空艦で多くの方と知り合えた点も、模型人生のターニングポイントになっています」

 架空艦制作に関しては、「現実にはないけど、存在してもおかしくないような見た目」を第一に、自分らしい“浪漫”をプラスして、武装の載せる位置などを慎重に考えていると説明。制作を通じて感じた技術的な「壁」については、「まだ突破できていないのですが、エッチングパーツなどの組み立てがどうにも上手くできません」と眉をしかめた。

 だが、そうした「壁」についてはネットや雑誌などでコツを調べたり、展示会などで作者に聞いてアドバイスをもらい打開しているという。何より、「まだまだ未熟な為になかなかアドバイス通りにいかないのですが、めげずに続けていくことこそが“突破のカギ”」だと強調。続けて、「悩むこともありますが、親しくしてくれる方々、展示会に参加する機会を作ってくれた方、この出会いは全て架空艦がキッカケ。もはや、架空艦は自分という存在の一部であり、生きる糧です」と、架空艦への溢れる想いを語ってくれた。