いきものがかり・水野、名曲『ありがとう』のタイトルに込めた想いは? Sano ibukiと楽曲制作について語る

引用元:J-WAVE NEWS
いきものがかり・水野、名曲『ありがとう』のタイトルに込めた想いは? Sano ibukiと楽曲制作について語る

J-WAVEで放送中の番組『SPARK』(月曜ナビゲーター:水野良樹)。12月9日(月)の「SPARK HIROBA」のコーナーには、水野と親交があるアーティスト・Sano ibukiが登場。

Sano ibuki は、11月にアルバム『STORY TELLER』でメジャーデビュー。水野は、以前レギュラー出演していたJ-WAVEの番組『SONAR MUSIC』で、Sanoのスタジオライブを観て感激。それ以来、『SPARK』でもSanoの楽曲をかけている。水野は、Sanoに楽曲制作について質問する。

水野:曲を作るのに、まずストーリーから考えると伺いました。どういうところから始めるんですか?
Sano:一番はじめに題名を考えますね。そのタイトルに合うストーリー、キャラクターを作ります。プロットと呼ばれる構成がちゃんとある状態で、物語をより深くしていくんです。
水野:小説家みたい!
Sano:メロディの世界観に合うストーリーがあったかな、と探しますね。それと、主人公だけでなく、サブキャラクターの調査書を全部作っているんですよ。血液型とか好きな食べ物とか過去の女性遍歴とかを入れて。
水野:歌詞に落とし込まないくらいの背景の情報か。
Sano:キャラクターの周りの風景をちゃんと全部書いているんです。「このサブキャラクターがおもしろかったから、主人公にしてみようかな」とかということも出てきますね。そうすると、ちゃんと人がいて、人の心があって……みたいな景色が広がって、どんどん3次元、4次元になっていくんです。
水野:おもしろいですね。僕の曲作りなんですけど、例えば『ありがとう』。このタイトルって、“デカい言葉”じゃないですか。「ジュースどうぞ」と渡されたときの「ありがとう」でも使えるし、死に別れのときの「今まで本当にありがとう」といった、重い「ありがとう」でも使える言葉。それぞれの「ありがとう」は、別々の「ありがとう」じゃないですか。空を見て美しいと思うとき、そのときのSanoさんの感情と僕が空を見て美しいという感情って全然違うと思うんです。どうとでもとれてしまう『ありがとう』という言葉をなぜ用意したかというと、それぞれに合う曲が本当はあるはずだけど、それをたぶん僕は作りきれないから。逆にどの感情でも合う器を用意したいみたいな。
Sano:小っちゃくても大きくても大丈夫みたいな。
水野:それをたぶん僕はやってて、違う方向だけどSanoさんと目的は同じ。
Sano:僕も景色をただ作りたいわけじゃない。だったら、小説にすればいいわけだし。それを敢えて音楽にするっていうのは、器を広げてる。器を大きくする作業を音や歌詞でしてますね。
水野:なるほど! これは深いところでの共通点が見つかった気がします。

【番組情報】
番組名:『SPARK』
放送日時:月・火・水・木曜 24時-25時
放送局:J-WAVE(81.3FM)