令和最初のM-1王者ミルクボーイ “しゃべくり漫才”に漂う「昭和感」…王道ネタで圧勝

令和最初のM-1王者ミルクボーイ “しゃべくり漫才”に漂う「昭和感」…王道ネタで圧勝

「M-1グランプリ2019」(テレ朝系)の決勝戦が22日生放送され、史上最多の5040組のエントリーの中から、「ミルクボーイ」が優勝した。

 大学の落語研究会で出会ったという駒場孝(33・写真左)と内海祟(34・写真右)による結成12年目のコンビ。10組の決勝戦進出組によるファーストステージでは700点満点中681点という「M-1史上最高得点」を獲得し1位で通過。最終決戦でも、「かまいたち」「ぺこぱ」の強豪2組を押さえ、7人の審査員中6人がミルクボーイを優勝者に選ぶという圧倒的な強さだった。

 ネタはファーストステージ、最終決戦とも、「リターン漫才」と呼ばれる2種類のツッコミを繰り返すスタイル。審査員の松本人志も「行ったり来たり漫才で、揺さぶられたねー。これぞ漫才という感じ」と絶賛した。お笑い評論家のラリー遠田氏は、「今回は、スベったグループが一組もなく、相当レベルの高い決勝戦だった」とした上で、ミルクボーイについてこう語る。

「漫才の途中からコントに入っていく”コント漫才”が多い中、間もネタのチョイスも完璧な”しゃべくり漫才”でした。予選の段階から相当受けていました。『コーンフレーク』『最中』といった、どんな世代にも受け入れられる題材も絶妙で、どことなく昭和の香りがするのも特徴ですね」

 確かにダブルのスーツに角刈りという内海のスタイルは往年のコント55号の坂上二郎を彷彿とさせる。万人受けするテーマも大衆演芸の王道を行くものだ。

「割とゴツく見えるふたりなので、昭和っぽさを出して親しみやすく見せているのだと思います。また、ふたりとも非常に性格がよくて、先輩に可愛がられるタイプなんだそうです」(ラリー氏)

 今年はテレビ出演自体がまだ4回目だといい、「まだ信じられません」(駒場)、「好きなギャンブルを我慢してネタ合わせを頑張りました」(内海)と優勝後の会見で語ったふたり。令和の時代に昭和の匂いをまとった新スターが誕生した。