アクシデントも笑いに!想像以上に楽しめた舞台観覧

引用元:日刊スポーツ

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

先日、舞台というものを初めて観た。芸能というものから程多い人生を歩んできた私にとって、わざわざ劇場に行って、お金を払って舞台を観るということは考えつきもしないことだった。

11月に芸能担当になり先輩から「映画とか舞台とか観て自己投資するんだぞ」と言われていた。映画はまだしも舞台は1人で見に行くには敷居が高すぎた。そもそもチケットをどこで買っていいかもわからない。そんな時に運良くチケットが手に入った。テアトル・エコーという劇団の「IS HE DEAD?」というフランスの歴史的な有名画家ミレーを題材にした喜劇のチケットをたまたま知り合いから譲り受けたのだ。

100人ちょっとしか入らないような小劇場だったが、演者との距離が近くアットホームな印象を受けた。周りの客はご高齢の方が多かったが、ちらほら若いカップルもいた。平日の昼間でも満員だった。

内容は貧しい画家ミレーを死んだことにすることで、絵の価値が上がるのではないかと画家仲間がたくらみ、見事作戦が成功して周りのみんなが幸せな生活になるというもの。ミレーは女装して双子の妹という設定で生きていきながら多くの人を巻き込んでいく物語だった。

私は大の歴史好きなので、史実のいかんは別にして、題材の主人公を知っていることだけでも世界観にすっと入っていけた。笑いあり歌あり、ダンスありの2時間半があっという間だった。

取り直しのきく映画やテレビとは違って、舞台はその場で起こるアクシデントすらエンターテインメントにしてしまう。一度ウケると何度も何度も繰り返して観客を盛り上げるなど、アドリブ満載なのも楽しめる要因だった。舞台の慣習を知らない私は「声を上げて笑っていいのかな」「拍手とかするのかな」と最初は不安だったが見よう見まねで途中からは慣れた感じを出せた気もする。

今回の舞台をみてすぐにドハマりしたというわけでもないが、想像以上に楽しむことができた。これからいろいろなエンターテインメントをみて、芸能記者として、一人間として肥やしにしていきたい。