裁判所、追跡番組の放送に「NO」…故キム・ソンジェ

引用元:WoW!Korea
裁判所、追跡番組の放送に「NO」…故キム・ソンジェ

裁判所が、SBSの事件追跡番組「それが知りたい」に対し、放送の取りやめを命じた。番組は、元「DEUX」メンバー、故キム・ソンジェの死を取り巻く疑惑について追究していた。

 ソウル南部地方裁判所は20日、SBS「それが知りたい」キム・ソンジェ編の放送禁止仮処分に伴い「21日午後11時10分から放送を予定していた『それが知りたい』を放送してはならない」と断じた。

 放送禁止を求めたのは、死亡したキム・ソンジェの元恋人だ。元恋人は、今年8月にも「それが知りたい」キム・ソンジェ編の放送中止を求めていた。

 元恋人は、当該番組の債権者(本人)の名誉など、人格権の侵害にあたるとして、17日に仮処分を申し立てた。

 裁判所は「前回の放送と本件の放送は具体的な理由が異なるにすぎず、結果的には視聴者たちに対し『申請者(元彼女)がキム・ソンジェを殺害した可能性がある』ということを示唆したもの」と説明した。

 また「前回の放送の主な内容は、事件の控訴審判決で無罪の決め手となった『“Zoletil”(動物用麻酔薬)1瓶でキム・ソンジェのような健康な青年を死に至らせることはできない』という内容に反駁するもの。被申請者は、事件の控訴審判決における無罪の理由は当時も今も妥当だとしている」と述べた。

 裁判所は、今回予定されている放送に対し、元恋人がZoletilを追加購入したような印象を与える不確かな内容だと明かした。また、放送で元恋人が故キム・ソンジェに硫酸マグネシウムを投与した疑惑も取りざたされているが、これもやはり事実は確認されなかったと判断した。

 裁判所は「被申請者は、国民の知る権利を満たすために放送を企画したというが、視聴者に不確かな情報を提供することが国民の知る権利を満たすことや正しい世論の形成に寄与するとは考えにくい」とした。

 また、「番組予告が放送されて以来、ネットなどでは膨大な数のコメントと関連記事が浮上し、ほとんどの内容は申請者がキム・ソンジェを殺害したか否かに集中している。放送で、キム・ソンジェを殺害したのは申請者である可能性が示唆されれば、申請者の人格と名誉は毀損され、回復が困難となる」と述べた。

 テレビで公開された予告番組では、キム・ソンジェの死因を追跡する様子が映されていた。特に、28か所もの注射跡が注目を集めた。予告シーンでは、専門家たちがキム・ソンジェの体から発見された28か所の注射跡に対し「謎」と述べていた。

 元恋人の弁護人は19日の裁判後、取材陣に対し「被申請者は、今年8月の放送と特に変わった内容もなく、再度放送するだけだという。目新しい内容でもなく、視聴者の関心が高いから再度放送するという様子だった」と主張した。

 さらに「最近、人気芸能人らがネットの書き込みによって自殺するケースが増えている。事実と異なる書き込みは個人を再起不能にさせる。これを裁判所でも熟考し、放送を未然に防いでもらえたら幸い」と加えた。