笠井アナ 悪性リンパ腫公表前に見せた不屈の現場主義エピソード

笠井アナ 悪性リンパ腫公表前に見せた不屈の現場主義エピソード

■悪性リンパ腫を公表

「つい先日、ある記者会見の会場でお会いしたときは、いつも通り明るく、お元気そうでしたので驚いています」(芸能リポーターの城下尊之氏)

 悪性リンパ腫であることを公表した、フリーアナウンサー笠井信輔氏(56)。

「ああ、どうも」

「お久しぶりです」

「また何だか偉くなられたご様子で」

「何をおっしゃいますか、全然なってませんよ」

 そんな会話を交わした後、会見も滞りなく進行させていたそうだ。

「プロならば当然といえばそうなのかも知れませんけれど、ご病気のことなどみじんも感じさせませんでした。立派です」と城下氏が言う通りだろう。

 悪性リンパ腫は血液がんだ。その発症数は年間10万人に十数人程度。

「慎重で勉強家の彼がなんでまた……。残念でならない」と、かつて笠井アナもレギュラーだったフジテレビ系「とくダネ!」の小倉智昭(72)の言葉にうなずく関係者は多い。

 60歳の定年前にもう一勝負と9月30日付でフジテレビを退社した際、「ここまでの決断をしたのは人生初めて。清水の舞台から飛び降りてどうなるのか」とのコメントを発表した。

■「人生最大の決断」でフリー転身した直後に…

 その直後、10月からのフリー転身に当たっての健康診断で病気が判明したというのだから、ショックはいかばかりか。

「改めて悪性リンパ腫という文字を見ると、自分ががんだと再確認する。立ち向かっていかないといけない」と、闘病への決意を見せている。4カ月の抗がん剤治療、さらに最低でも2カ月の自宅療養が必要とされ、療養は半年に及ぶ見通しという。決まっていたテレビ番組出演、講演会、イベント司会などの仕事はすべてキャンセルとなる。

「笠井さんは現在、小倉さんと同じ芸能事務所に所属しています。業務委託契約であれば、だいたいギャラは折半となりますが、それでも局アナ時代よりもかなり高額な取り分が手元に残る。でも、仕事があればの話。サラリーマンのような有休もなければ、病気療養中の生活保障は通常ありません」(芸能プロ関係者)

 笠井アナは1990年に結婚したテレビ東京元アナウンサーの妻と25歳、21歳、16歳の3男がいる。やっぱり寄らば大樹、フリーになんてならなきゃよかったと、後悔の念も胸をかすめてはいないか。前出の城下尊之氏はこう言う。

「局アナで50代も半ばとなれば、看板番組のメインを任されることも減り、次の世代へバトンタッチしていかなければなりません。管理職であれば、それなりに安泰なポジションとも言えるでしょうけど、笠井さんは現場、プレーヤーにこだわり、会社にとらわれず、映画、演劇といった得意分野を生かせる仕事をしたいとフリーを決断された。病気療養はおつらいでしょうけど、笠井さんの力量であれば、まだ10年以上、第一線で活躍していけると思います。社員として定年を迎えるよりも長い仕事人生があるのです。32年勤めあげたフジテレビ時代の骨休めも必要でしょうし、長いスパンで見て、どうか焦らず、治療に専念していただければと思います」

■生出演で説明

 笠井アナは、白血病で闘病中の競泳女子、池江璃花子(19)の退院報告と前向きな決意表明に励まされたという。きょう(19日)の「とくダネ!」に生出演し、病気を公表した理由を「32年間、ワイドアナウンサーとしてやって、いざ自分が病気になったときそっとしておいてくださいは、自分の生き方としては許さない。話せることは皆さんに知ってもらう義務があるということ」などと説明した。

 病の克服と現場復帰を誓った笠井アナ。視聴者は待っている。