笠井信輔アナを襲った「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」とは…医師の見解は

引用元:スポーツ報知
笠井信輔アナを襲った「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」とは…医師の見解は

 悪性リンパ腫を患っていることが明らかになった元フジテレビの笠井信輔アナウンサー(56)が19日、同局系「とくダネ!」(月~金曜・前8時)に生出演し、「何で今、何で俺。青天の霹靂(へきれき)を超える驚きでした」と告知された時の心境を語った。

 今年9月までレギュラー出演していた同番組。「32年間、ワイドアナウンサーとして有名人の方のプライバシーを、自分の言葉で放送してきた。いざ自分が病気になった時『そっとしておいてください』というのは生き方として許せない」と公表の理由も説明した。

 その後、立て続けに「バイキング」、「直撃LIVEグッディ!」など情報番組にVTR出演。正式病名を「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」と明かした。医師からは「『生存率6割、4割の方が亡くなる。でも笠井さんは若いので7割ぐらいの方の生存率に入ります』と言われた」という。

 前立腺の不安から精密検査を受けたところ発覚。病気を知らされた妻のますみさん(55)は「ある種の覚悟はあるので完全に励ましモードです」。3人の息子のうち社会人の長男は言う前に「がんになったの?」と予想しており、驚く父に「お父さんの働き方見ていたら分かるよ。あんなムチャしたら病気になるよ」と言われたという。

 この日は、アナウンス室など古巣にもあいさつ回り。部屋を出る際に、かつての同僚らと写真を撮ろうとしたが「でもいいや。戻ってくるから」と気丈に話したという。

治療に4か月 近日中に入院予定。医師からは4か月の治療と2か月の療養と言われているが「復帰に関しては(来年7月開幕の)東京五輪を一つの目標にしている」。また「初めて(東日本大震災の)被災地に行けない。再来年は震災10年なので思いっきり取材して、前を向いて闘っていく姿は見ていただきたい」と力強く話した。

 ◆びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

 悪性リンパ腫の種類の一つで、リンパ球の中のB細胞から発生する。月単位で病気が進行し「中悪性度」に分類される。多くの場合は無症状だが、全身のあらゆる臓器から発生するため、部位によって症状は異なる。典型的な症状は、発熱、寝汗、体重減少など。

 ◆医師の見解

 笠井アナが公表したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫について、血液内科が専門の上昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)は「『転移がある』と話していることから、悪性リンパ腫の中でも少し強めのがんでしょう」と指摘した。

 悪性リンパ腫と診断されるのは年間約3万人で、笠井アナと同種のリンパ腫はそのうち25~30%。首、わきの下、胸部や腹部などにあるリンパ節が腫れたり、臓器にこぶ状の病変ができ、治療をしないと肥大していく。治療は一定のサイクルで薬剤投与を行い、再発がなければ社会復帰できる。

 ◆笠井 信輔(かさい・しんすけ)1963年4月12日、東京都生まれ。56歳。早大卒業後、87年にアナウンサーとしてフジテレビに入社。同期には中井美穂ら。2019年9月末にフジを退社。趣味は舞台鑑賞、カラオケ。新作を年間130本以上スクリーンで見るほどの映画好き。血液型A。 報知新聞社