【報知映画賞】長澤まさみ、15年ぶりの「重み感じながら映画界に携わっていきたい」

引用元:スポーツ報知
【報知映画賞】長澤まさみ、15年ぶりの「重み感じながら映画界に携わっていきたい」

 主演女優賞は「マスカレード・ホテル」、「コンフィデンスマンJP―ロマンス編―」の長澤まさみ(32)が受賞した。コメディーとサスペンスの異なるジャンルを好演し、04年の助演女優賞以来15年ぶりの栄誉になった。

 数ある映画賞の中で、一番重いとされる4・4キロのブロンズ像。ズシリと感じる手の感触が懐かしかった。

 「世界の中心で、愛をさけぶ」「深呼吸の必要」で史上最年少(17歳)の助演女優賞を受賞して以来、15年ぶりの報知映画賞。長澤は「ブロンズ像が本当に重くて、ビックリしたんです。重みで当時の記憶がよみがえりました。この先も、賞の『重み』を感じながら映画界に携わっていきたい」と力強く宣言。こみ上げる感情を抑え、「今でも、たくさんの映画に携わらせていただけていることに感謝しています。日々努力し、毎日を積み重ねていきたいと思います」と誓った。

 「コンフィデンスマンJP―」で、コメディエンヌとしての才能が花開いた。演じたのは、天才的な頭脳と大胆な発想でターゲットを手玉に取る信用詐欺師のダー子。変顔も辞さず、テンポの良いセリフ回しと振り切った演技を披露した。

 同作ではまじめで小心者のボクちゃん(東出昌大)、百戦錬磨のリチャード(小日向文世)と、欲望にまみれた人間から大金をだまし取る様が描かれる。連ドラ版(18年4月期)からの“パートナー”、小日向が祝福に駆け付け「会う度に長澤さんの背が高くなった気がする(笑い)。女優としてのオーラが錯覚させたんだろうな。ますます大きくなって、更なる高みを目指してもらいたい」と激励された。

 芸歴40年以上の小日向には仕事に向かう姿勢を学んだ。「面白い作品を作る―そのことに対する妥協がない。若手みたいに貪欲なんです。考えを伝えると、大先輩なのにちゃんと受け止めてくれる。シビアな目を持ちながら接して下さったことが、作品の成功につながったと思う」

 12歳で「東宝シンデレラ」オーディションのグランプリを取り、第一線を走り続けてきた。近年はドラマや映画だけでなく、舞台にも精力的。15年前の表彰式のゲストだった大森南朋(47)とは、上演中の舞台「神の子」(東京・本多劇場ほか全国7都市)で共演する。

 「映画を通じてたくさんの先輩俳優と知り合えたし、ご縁が今もつながっている。財産だと思う」。シリーズ2作目の「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の公開(来年5月1日)が決定。来年のデビュー20周年を前に当たり役に巡り合った。「人を笑わせるのは好き。映画ファンに楽しんでもらえる作品に出続けられたら」。令和のコメディエンヌとして未来は明るい。(加茂 伸太郎)

 ◆長澤 まさみ(ながさわ・まさみ)1987年6月3日、静岡県生まれ。32歳。2000年、第5回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリ。03年に「ロボコン」で映画初主演。17年の「キャバレー」で初ミュージカル。主な出演作にNHK大河「天地人」「真田丸」、映画「モテキ」「海街diary」。来年5月から一人芝居「ガールズ&ボーイズ Girls&Boys」(新国立劇場小劇場)を上演。168センチ。血液型A。

報知新聞社